概要
隣にいた。それだけは、本当のことだ。
別れてから半年後、共通の友人から聞いた。彼女が心療内科に通っていたということを。
知らなかった——語り手はそう言う。聞く準備はいつでもできていた。彼女のことをよく見ていた。注意深いほうだと思っている。だから知らなかったのは、彼女が言わなかったからだ。
穏やかに、整然と、語り手は二年間を振り返る。
読み終えたあと、少しだけ居心地が悪くなる短篇。
知らなかった——語り手はそう言う。聞く準備はいつでもできていた。彼女のことをよく見ていた。注意深いほうだと思っている。だから知らなかったのは、彼女が言わなかったからだ。
穏やかに、整然と、語り手は二年間を振り返る。
読み終えたあと、少しだけ居心地が悪くなる短篇。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!元よりの、φ 故に。
タグには『恋愛』とあるが、寧ろ その後 を
深く掘り下げた人間ドラマでもある。
往々にしてヒトにありがちな、然し乍ら
いざ、それを言語化するとなると途轍もない
困難に陥りがちなテーマを、分かりやすく
文章に落とし込んだ大変に稀有な掌編と
言えるだろう。
嘗て恋人同士であった男と女。その共通の
友人から、別れた後の女の様子を聞く男。
互いに相手を思い遣る事。それが極まると
救いの無い話になるのだろう。
其処には悪意は欠片も無く、只管相手への
思い遣りに満ちている。それが勢い自らを
縛り、又相手をも縛る 枷 となる事を、
ヒトであるが故の諦観と共に描き切った
この作品。
読ん…続きを読む