概要
祓いません、まず記録します。
神の力=神威は、実在する。
ただし使うには、申請と決裁とログが要る。
文化庁から「神務庁」──神様と怪異を扱う内閣府外局──に出向した波多野承平、25歳。仕事は基幹システムINARIのログ照合。地味な新人のはずだった。
初めての現場で、異界に取り残された人を救いたい一心で祈ってしまうまでは。
「――貸しだぞ」
翌日、自宅前に白狐が座っていた。貸しの返済は油揚げ一枚。のはずが、居着かれた。しかも職場の基幹システムのログを勝手に「整え」られた。
呪われた市松人形。
埋められた水路の神様。
取り壊し前の団地から届き続ける、三十年前の郵便。
案件を重ねるうち、波多野には「誰にも聞こえない声」が聞こえ始める。
それは、この役所が最も恐れ、最も必要としている力だった。
祓いません。まず記
ただし使うには、申請と決裁とログが要る。
文化庁から「神務庁」──神様と怪異を扱う内閣府外局──に出向した波多野承平、25歳。仕事は基幹システムINARIのログ照合。地味な新人のはずだった。
初めての現場で、異界に取り残された人を救いたい一心で祈ってしまうまでは。
「――貸しだぞ」
翌日、自宅前に白狐が座っていた。貸しの返済は油揚げ一枚。のはずが、居着かれた。しかも職場の基幹システムのログを勝手に「整え」られた。
呪われた市松人形。
埋められた水路の神様。
取り壊し前の団地から届き続ける、三十年前の郵便。
案件を重ねるうち、波多野には「誰にも聞こえない声」が聞こえ始める。
それは、この役所が最も恐れ、最も必要としている力だった。
祓いません。まず記
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