概要
旭可南(あさひかなん)は起業家として日々忙しく働いていた。人が好きで話好き、周囲には常に人がいる。そんな彼には秘密があった。
雨音が連れてくる誰かの呼び声、慟哭。消えることのない悔恨の念と罪悪感。苦痛に侵食されていく日々──かりそめの平穏が、少しずつ音を立てて崩れ始める。
第一章:1話〜50話で一旦の完結済
(119,997文字)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!仮面を剥ぎ、不器用な愛が救う魂のドラマ……
※第一章『13話 月の裏側 後編』
までのレビューです。
完璧な笑顔の裏に深い孤独と痛みを隠した起業家・旭可南と、彼の異変に気づき、不器用ながらも真っ直ぐに寄り添い続ける部下・黒瀬龍の関係を描いたヒューマンドラマBLの傑作です。
日常のなかに忍び寄る雨音の幻聴や過去のトラウマ、そして誰にも言えずに抱えてきた自傷の闇……
それらが鮮烈な描写で積み重ねられていき、迎えた第13話での圧倒的なカタルシスは必見です。綺麗事だけではない人間の傷口に触れながらも、温かな体温と名前呼びによって、凍てついた心がゆっくりと溶かされていく過程が本当に胸を打ちます。
「誰かと生きることを選べるか」という問いに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!笑顔の奥に傷を隠した青年が、人との繋がりの中で少しずつ過去と向き合う
明るくて人懐っこい主人公、その奥にずっと残り続けている、過去の傷。
単に「辛い過去を持つ主人公」というだけではない。
主人公が心に孤独を抱えながら人と接してきたのかが少しずつ見えてくる作品
普段の会話は軽くて温かいのに、雨や声、何気ないきっかけで過去が入り込んでくる。そのたびに日常の空気がふっと変わるのが印象的。
この作者様は繊細な描写がとても得意な方なのだと感じます。
心の揺れ動きといった様な。
自分にはない物なのでとても勉強になりました。
普段BLといった作品はあまり嗜んでおりませんでしたが、この作品はとても繊細で優しい。抵抗がなければとても楽しめる作品だと思います。
18…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常の尊さと謎めいた声
旭可南は仕事では成功を収めながらも、奇妙な夢を見ます。
そして雨の中で呼ぶ声という謎が、序盤の物語を牽引していきます。
明るい日常と、暗い秘密の落差の描写が特徴的で、コミカルな描写には何度もクスッとさせられました。
ただその裏側には、過去のトラウマなど薄暗さがあり、物語全体に独特の空気が漂っている印象を受けました。
また、雨の使い方が巧みで、安心をもたらすものであり、同時に恐怖を呼び起こすものでもあるため、その描写から自然と緊張感が生まれます。
なにより心に残るのが、可南の笑顔です。
その笑顔が自分を守るためでもあるという、人間性の深みに迫る描写もとても印象的でした。
平穏な日常と…続きを読む