概要
部活を辞めたあの日、俺は地獄から解放されて、地獄へ落ちた。
「部活、辞めます」
高校二年の冬、成績が出せない無力感と顧問の冷たい言葉に心が折れ、杉野は陸上部を去った。
部活から解放されて初めて帰る日の足取りは、信じられないほどウキウキとしていた。
明日からはもう、暗くなるまで走らなくていい。怒鳴られることもない。暖房の効いた暖かい部屋で、やりたかったゲーム、読みたかった漫画、受験に向けた勉強――自由な時間を全力で謳歌する杉野。
しかし、1ヶ月も経つ頃、その全能感は突如として鋭い苦痛へと変貌する。
放課後、グラウンドへ向かう親友の後姿。遠くから聞こえるスターターの銃声。
暖かい部屋にいるはずの自分が、なぜか外で凍えながら走っていた頃よりも息が苦しいのは、一体どうしてなんだろう。
逃げ出した自分を責め続け、焦燥感に塗れたまま過ごした1年間と、その先
高校二年の冬、成績が出せない無力感と顧問の冷たい言葉に心が折れ、杉野は陸上部を去った。
部活から解放されて初めて帰る日の足取りは、信じられないほどウキウキとしていた。
明日からはもう、暗くなるまで走らなくていい。怒鳴られることもない。暖房の効いた暖かい部屋で、やりたかったゲーム、読みたかった漫画、受験に向けた勉強――自由な時間を全力で謳歌する杉野。
しかし、1ヶ月も経つ頃、その全能感は突如として鋭い苦痛へと変貌する。
放課後、グラウンドへ向かう親友の後姿。遠くから聞こえるスターターの銃声。
暖かい部屋にいるはずの自分が、なぜか外で凍えながら走っていた頃よりも息が苦しいのは、一体どうしてなんだろう。
逃げ出した自分を責め続け、焦燥感に塗れたまま過ごした1年間と、その先