概要
逃げても逃げても、戦場だった。滅びゆく平家、無名の兵士の静かなる記録。
「逃げてる。おれたちは逃げてる。」
壇ノ浦の敗戦。平家の船団が散り散りになる中、御厨良房はただ、波の音を聞きながら西へ西へと逃げていた。
生き残った十三艘の船。中将様と共に漂流し、小島で焚き火を囲む夜、良房は自らの内側にある「修羅」と向き合う。
戦場では、名前のない死体が踏み越えられる。
戦場では、うまい米の味さえも悔しい。
そして、帰りたい場所には言えなかった言葉が残されている。
これは、歴史の教科書には決して記されることのない、名もなき兵士の「死」と「生」と「言葉」の物語。壇ノ浦の夜を、平家側と源氏側それぞれの視点から描いた連作短篇のうち、平家側のある男の一夜。
壇ノ浦の敗戦。平家の船団が散り散りになる中、御厨良房はただ、波の音を聞きながら西へ西へと逃げていた。
生き残った十三艘の船。中将様と共に漂流し、小島で焚き火を囲む夜、良房は自らの内側にある「修羅」と向き合う。
戦場では、名前のない死体が踏み越えられる。
戦場では、うまい米の味さえも悔しい。
そして、帰りたい場所には言えなかった言葉が残されている。
これは、歴史の教科書には決して記されることのない、名もなき兵士の「死」と「生」と「言葉」の物語。壇ノ浦の夜を、平家側と源氏側それぞれの視点から描いた連作短篇のうち、平家側のある男の一夜。