概要
絶滅したはずの動物が生きていた!
舞台は愛媛県松中市宇万高原町。
石鎚山系の山懐に抱かれた、人口三百人に満たない小さな山間の集落。
令和6年の秋、地元猟友会の老猟師が夜明け前の林道で、これまで見たことのない大型の獣と遭遇する。
犬より大きく、背筋が伸び、足が長く、灰褐色の毛並みを持つその動物は、一瞬ヘッドライトの光の中に浮かび上がり、藪の中へ消えた。
老猟師の証言が地元に広まると、人々はある名前を口にし始めた。
ニホンオオカミ。
明治三十八年、奈良県で捕獲された個体を最後に絶滅が確認されて以来、百二十年近く公式には存在しないとされてきた動物の名を。
石鎚山系の山懐に抱かれた、人口三百人に満たない小さな山間の集落。
令和6年の秋、地元猟友会の老猟師が夜明け前の林道で、これまで見たことのない大型の獣と遭遇する。
犬より大きく、背筋が伸び、足が長く、灰褐色の毛並みを持つその動物は、一瞬ヘッドライトの光の中に浮かび上がり、藪の中へ消えた。
老猟師の証言が地元に広まると、人々はある名前を口にし始めた。
ニホンオオカミ。
明治三十八年、奈良県で捕獲された個体を最後に絶滅が確認されて以来、百二十年近く公式には存在しないとされてきた動物の名を。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~ 百二十年の沈黙を破る、灰褐色の遠吠え ~
明治三十八年の絶滅確認以来、公式には存在しないとされてきたニホンオオカミ——その名が、令和の小さな山間集落で再び語られ始める導入の重みが、この作品の引力を支えている。
老猟師が夜明け前の林道で遭遇した謎の獣という出だしから、地元住民の目撃情報、山へ分け入る調査と段階的に情報が積み重なっていく構成が丁寧で、派手な驚かせ方をせず、現実にありそうな証言と土地の空気を丁寧に描くことで読者の好奇心を山の奥へと誘っていく筆致が秀逸だ。石鎚山系という具体的な舞台設定も説得力を後押ししている。
連載中・全4話とまだ短いが、2千字強でこれだけの緊張感を生み出せるのは確かな筆力の証だろう。絶滅したはずの獣が本当…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶滅したはずの遠吠えが、山の奥から聞こえてくる
「ニホンオオカミは本当に絶滅したのか」
その問いだけで、もう胸をつかまれました。
愛媛県の小さな山間の集落を舞台に、老猟師の目撃証言、泥に残された大きな足跡、そして山奥で暮らす老人が聞いたという“犬でも狐でもない遠吠え”。ひとつひとつの情報が積み重なっていくたびに、本当にこの山のどこかに、絶滅したはずの獣が生き残っているのではないかと思わされます。
作者様の魅力は、派手な事件で一気に驚かせるのではなく、現実にありそうな証言や土地の空気を丁寧に描きながら、少しずつ読者の好奇心を深い山の奥へ連れていってくれるところだと思いました。
猟友会の老人、野生動物研究会の学生たち、山で一人暮らす炭…続きを読む