概要
彼女の薬指を失った指輪は、水槽の底で恋を知る
クロノヒョウ様主催の自主企画
第76回「2000文字以内でお題に挑戦!」参加作品です。
彼女の左薬指に、「楔」として君臨し続けてきたプラチナの指輪。
けれどある日、石鹸の滑りとともに肉体から剥がされ、理科準備室の水槽へと沈められてしまう。
分厚い硝子と、ぬるい水が隔てる境界線。
拾い上げるはずの彼女の指は、別の誰かの手と水中で絡み合い、醜く溶け合っていく。
永遠に変質しない金属が水底から見上げた、脆く美しい人間たちの記録。
第76回「2000文字以内でお題に挑戦!」参加作品です。
彼女の左薬指に、「楔」として君臨し続けてきたプラチナの指輪。
けれどある日、石鹸の滑りとともに肉体から剥がされ、理科準備室の水槽へと沈められてしまう。
分厚い硝子と、ぬるい水が隔てる境界線。
拾い上げるはずの彼女の指は、別の誰かの手と水中で絡み合い、醜く溶け合っていく。
永遠に変質しない金属が水底から見上げた、脆く美しい人間たちの記録。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛の証は、背徳の水底へ沈む
指輪そのものを語り手にして、背徳の恋を「所有の崩壊」として描いているところがとても印象的でした。
冒頭から、指輪が彼女の薬指に密着し、体温や鼓動を感じている描写が生々しく、ただの装飾品ではなく「楔」として存在していることが伝わってきます。
愛の証というより、誰かに属していることを示す冷たい輪として描かれているのが強烈でした。
その指輪が、彼の手によって無理やり外される場面も迫力があります。
液体石鹸で滑らされ、第二関節を越えて引き抜かれる感覚が、肉の痛みと一緒に伝わってきて、単に指輪を外すだけの行為が、あたかも関係を壊す儀式のように見えました。
そしてラスト。
お読み頂きたいので内容…続きを読む