救う側の独白として始まるのに、読み進めるほど、救う側と救われる側の境界がどんどん曖昧になっていく。「優しいふり」という言葉が、最初と最後で全く違う重さで見えてくる感じが印象的です。この語り手がいる場所は、同じ著者の別の作品で見えた景色と、どこかで繋がっているかもしれない。そういう予感が胸に残り、この著者の描く世界をさらに深く歩いてみたくなりました。支配と依存が入り混じった関係の、どちら側の痛みにも触れたい人におすすめです。
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