概要
”死 そして 目覚めて“ ギランバレーに恋をして
ある朝 目覚めたら 立てなかった。 お箸も 持てない。 這って仕事に行こうとした あの朝から始まった。 十万人にひとり—— ギランバレー症候群 という名のチケット。 誰もが欲しいとは言わないけれど 誰かが手にするから 十万分の一。 仙人界(急性期病棟)で一度死に 田園界(リハビリ病棟)で 生まれ直した。 茶師として、鮎漁師として、詩を詠む者として ずっと生きてきた。 なのに—— ギランバレーに恋をした。 「なって 良かった」 そう言える日が来るとは 思っていなかった。 日常と非日常の狭間に生かされて 魂の記録を ここに 残す
浮世雲 拝
浮世雲 拝
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!素晴らしい世界感
最初は、何を読んでいるのか分からなかった。
物語のようでいて物語ではなく、
説明も少なく、出来事も大きくは動かない。
それでも読み進めていくうちに、
不思議とその場に「居る」感覚が生まれてくる。
ドライブの空気、会話の間、
言葉にされない気配や温度が、
行間からゆっくりと立ち上がってくる。
読み終えたあとに強く残るのは、
ストーリーではなく「時間そのもの」だった。
誰かと過ごした、かけがえのないひととき。
その中にある静けさや、どこか締まった空気。
もしかすると最後になるかもしれない、
そんな予感を含んだ時間の重み。
それらが過剰に語られることなく、
ただそこに置かれている。
だ…続きを読む