概要
忘れられた勇者を、今度こそ一人にしない。
①あらすじ
王都ラズヴェルで夜番と書庫整理を務めるテルセロは、焼け落ちかけた芝居小屋で、壊れた絡繰人形から「君は勇者だった」と告げられる。直後に転移門の暴走へ巻き込まれた彼は、一年半前の王都へ投げ戻される。
そこで再会したのは、未来では歴史から零れ落ち、菓子見習いだった断片しか残っていないはずの少年ルクだった。前の時間軸でルクは王都を救うため、誰にも負わせてはいけない役目を一人で引き受け、祭壇の向こう側へ押し流されて消えた。しかも真相を隠すため、若き貴族アルデシナは「吸血鬼の花嫁」として汚名を着せられていた。
今度こそ、勇者を一人で祭壇へ行かせない。悪女を一人で泥をかぶらせない。そう決めたテルセロは、王都の坂道、転移門、絡繰人形、芝居、菓子の記憶をつなぎながら、仲間たちとともに歴
王都ラズヴェルで夜番と書庫整理を務めるテルセロは、焼け落ちかけた芝居小屋で、壊れた絡繰人形から「君は勇者だった」と告げられる。直後に転移門の暴走へ巻き込まれた彼は、一年半前の王都へ投げ戻される。
そこで再会したのは、未来では歴史から零れ落ち、菓子見習いだった断片しか残っていないはずの少年ルクだった。前の時間軸でルクは王都を救うため、誰にも負わせてはいけない役目を一人で引き受け、祭壇の向こう側へ押し流されて消えた。しかも真相を隠すため、若き貴族アルデシナは「吸血鬼の花嫁」として汚名を着せられていた。
今度こそ、勇者を一人で祭壇へ行かせない。悪女を一人で泥をかぶらせない。そう決めたテルセロは、王都の坂道、転移門、絡繰人形、芝居、菓子の記憶をつなぎながら、仲間たちとともに歴
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!失われた時間を取り戻し、少年を救おうとする書庫番の再生譚
夜の王都の空気や風の癖まで描き込まれた情景が非常に美しく、物語の世界へ自然と引き込まれる導入でした。
芝居小屋の火災から人形の言葉、そして転移門の異変へと繋がる流れは緊張感があり、読者に強い没入感を与えています。
ルクとの再会シーンは温かさと切なさが同時に押し寄せ、主人公の胸の痛みが丁寧に伝わる印象的な場面でした。
過去と現在が重なり合う描写は巧みで、世界が“戻った”という事実が希望と恐怖の両面を持つことが深く感じられます。
全体として、繊細な心理描写と豊かな情景表現が調和し、これから主人公が何を守り、何を変えようとするのか強く期待を抱かせる一篇でした。