グッナイ・バード
山へと続くなだらかな坂道は
綺麗に整備されたドライブウェイ
歩道を行く人はほとんどいない
風には少しだけ春の気配
民家が間遠になると
いよいよ人影もなく
白い箱に収まったきみと
異世界を歩いているような
夢路となる
枯木のアーチをくぐると
雪が舞い始めた
なごり雪だろうか
ひとり言
きみを託した
不意に日が射してきた
その光の中
きみとの最後の散歩道を
ひとり帰る
下界の沿道の植樹帯は
冬の前に剪定されたのか
てっぺんが平らなまま
けれども
そのうち
春の訪れとともに
自由に
元気に
伸びてくるのだろう
~~~~~~~~~~~~~~~
朱色の尾羽と
シルバーグレーの翼
黒い瞳と
「ありがとう」の声
DNAに記憶された
深い緑の森
野生のニオイの
熱帯の森
生まれる前に
仲間と暮らしていた
アフリカの夢
見ることが
できればいいね
バイバイ・マイ・バード
詩小説~秘密の花園 紅瑠璃~kururi @rubylince
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩小説~秘密の花園の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます