第47話 あらすじ
十二年前、突如として人類に「超能力」が発現した。
超能力者による事件が多発し、ついにはテロ組織までが結成され、超能力者たちに対する非難が高まり、罪のない超能力者までもが迫害された。対策として、『海上都市』に超能力者たちを移住させ、超能力犯罪を取り締まる組織『PBI』を設立。特別捜査官バージル・バーンズ率いるチームは日々超能力犯罪に立ち向かう。ジョン・ドゥはバーンズのチームで捜査コンサルタントとして勤務していたが、或る日の夜、殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。
被害者は『ネモ』事件最初の被害者遺族。殺害方法が『ネモ』事件と一致するため、ジョンにはその疑いがかかる。
リビングからの物音で目を覚ましたアーシャ。侵入者かと思い警戒するも、その正体は何食わぬ顔で朝食を作っているジョンだった。保釈金は、刑務所内でマフィアのボス同士が行っていたポーカーで稼いだと言う。呆れつつも共に『PBI』に出勤。そこで局長のリヒターから、ある式典でテロ組織が大規模な爆弾テロを目論んでいることを知らされる。そして超能力を使って暴れた挙句に死亡した男。彼はドラッグでラリっていたこと、更には『ネモ』事件の二人目の被害者遺族であること。
被害者遺族にドラックを売ったのは、ジョンが刑務所で保釈金を巻き上げた男だった。そこから得られた供述は「ドラックを使うと超能力が発現する」ということだがあくまで噂。
再び殺人事件が発生。被害者は『ネモ』事件三人目の被害者遺族。そんな中、『PBI』に爆弾を仕掛けたという声明文が届く。捜索も虚しく爆弾が炸裂し、『PBI』は半壊状態に追い込まれ、リヒターを含めた多数の死傷者が出る。
局長殉職という先が見えない状況の中、復旧が進んでいく。一方、ジョンの姿は姉が眠る墓にあった。
ジョンは、十年前まで『ネモ』と呼ばれ恐れられていた連続殺人鬼だった。十五年前の今日、マフィアの抗争に巻き込まれ命を落とした最愛の姉。彼女の幻影を追いマフィアを殺す……。遂に復讐を果たしたジョンは出頭するも、後に影武者と判明。そこで取引を持ち掛けられた。多発する超能力犯罪に対し、ジョンの持つ多種多様な技術を提供してほしいと。結果、『PBI』の〝コンサルタント〟となる。無論、姉を殺した犯人を見つけるためだ。
謎の連続殺人の捜査の過程で『ネモ』事件最後の被害者遺族が行方不明になっていることが判明。ジョンは捜査線上に浮かんだ容疑者に罠を仕掛けるも、アーシャはその入れ込みようを心配。心中を察したバーンズは復讐のツケは高いと釘を刺さす。
作戦開始も問題が。ジョンの姿がない。彼は真相に辿り着き、チームの人間すらも欺いて復讐を果たそうとしている。アーシャはPCを使って、早急にジョンの居場所を特定しなければならない。
ジョンはある墓地にいた。そんな彼に語り掛ける人物が一人。死んだはずのリヒターだ。彼こそジョンの姉を殺したマフィアのボス。そしてこの墓地には、ジョンが殺したミュラーの息子が眠っている。一連の事件を遂行できるのはリヒターのみ。自分の死をも偽装した。リヒター……いや、ミュラーこそがテロ組織そのもの。ミュラーは『ネモ』事件最後の被害者遺族。復讐のために名前を変え、整形までした。超能力に目覚めたのはミュラー一人。他の人間は、ミュラーによって能力を与えられていた。心が読めるミュラー。ジョンは次々に、ミュラーをこの場で殺す方法を考えていく。心が読めるミュラーにはその全てが筒抜けだ。ジョンの思考の中にはミュラーの息子をどう殺したか、死に際の様子が鮮明に映る。怒りと死への恐怖からミュラーは発狂する。形勢逆転も、ミュラーの体には爆弾が。ミュラーが死ねばジョンも死ぬ。だがジョンの心は決まっている。ミュラーを撃ち殺そうとする、まさにそのときだった。ジョンの銃が暴発した。違う。自分は狙撃されたのだ。超長距離の精密射撃。暗闇の中、針穴に糸を通すような神業だ。バーンズだ。彼がジョンの復讐を止めたのだ。『PBI』の捜査官たちが二人を包囲する。そこにはアーシャの姿もあった。もはや、復讐を遂げることは不可能に近い。ジョンは自嘲気味に笑うと、言われるまま静かに両手を頭の後ろに回す。カチリと音がして、その両手に冷たい手錠がかけられた。
ミュラーがすべての黒幕でることが判明し、『PBI』はその全責任を問われ、解体の憂き目にあった。捜査官も散り散りになり、アーシャは本国へ戻ることとなり、バーンズは海兵隊に復帰した。ミュラーはアルカトラズに秘密裏に拘置され、そしてジョンは姿を消した。〝彼は死んだのでは〟という憶測まで流れる中、ある厳重警備の囚人島で殺人事件が発生する。それは、以前ジョンが行っていた犯行そのものだった――
THE PSYCHIC タイロク @tairoku
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