一冊の本が、すれ違いの心をつなぐ

ある日の昼休み、ささいな言い合いをきっかけに、
親友との心が少し離れてしまった少女・ナツコ。

落ち着きを取り戻した放課後、
図書室で見つけた一冊の不思議な手作りの本。
その名も──『私の物語』。

誰が始めたのかもわからない、けれど決まりがひとつだけある。
「読んだら、何かひとつ、物語や詩を書いていくこと」

ページをめくれば、見覚えのある文字。
同じクラスの幼なじみ・ソラタの、まっすぐな言葉がそこにあった。

その素朴で力強い一篇が、ナツコの心に、
ある大切なことを思い出させてくれる。

これは、子どもたちの繊細で真っ直ぐな心が交差する、
ほんの少しのすれ違いと、ほんの少しの勇気を描いた物語。

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