両方、いっぺんに履けるやつはいない。

自分が思い詰めていることでも、
例えば喧嘩した相手のことを、半日かけてウジウジ考えてしまうのが人間です。
それは、真面目な人ほどそうなのだそうです。

このウジウジ・モヤモヤというのは厄介なものでして、
心の中で育っていく割に、数年経っても消えてくれないのですよね。

ある精神科医の方がおっしゃっていたのは、要するにこの、いわゆる『嫌な思い出』を、
人間は『重要なことである』とフォルダリングして、忘れないように記録してしまう機能が脳味噌についているのだとか。

しかし……当の喧嘩の相手は何もなくケロっとしているように見える。
っこに人生の不平等さがあるというか……。


このようなウジウジ、モヤモヤを溜め込まないには、テクニックが必要で、
結局与えられたモヤモヤを、『大して重要でない』と脳に教え込む必要なことらしいのです。
でも、それって簡単にできることじゃありませんよね……。


この物語の主人公は、あるきっかけで……
『その方法』を見つけることができたようです。それは……

図書館に保管されていた本の一つ、「私の物語」という、不思議な書の一説に触れたときでした。



人間は、ズボンを右から履いて、靴下を右から履く。
同時に履くことなどできない。


案外、楽しく生きる方法というのは、こういうところからなのやもしれません……。




お勧めいたします。


ご一読を。







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