白月へ

みぃ

夜をこえて





たったひとつの

静かな声で歌う月

夜の深い藍色を

そっと脱ぎ捨てていく

街の灯りは遠い過去の記憶

風に吹かれ

星屑がそっと囁く

しずくをのせた蜘蛛の巣が

やがて白く光りだす

月は夜の女王から

朝の純粋な乙女へと姿を変える

空が白み

鳥たちが歌い出す頃

月は淡い夢の残骸のように

静かにその姿を消していく

ただ、そこにあるのは

夜が終わり

新しい一日の始まりを告げる

白い月の儚い微笑み


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白月へ みぃ @miwa-masa

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