第7話 価値の期限切れ
「限定解除が教習所で取れるようになる前に、一発合格した。
すごいでしょ。」
この意味がわからない方も、少し我慢してお付き合いください。
自動二輪、つまりオートバイの免許制度に関わる話なのですが、
排気量の大きさによって、段階的に区分けされた免許があって、
大きさが無制限に許される「大型自動二輪」が一番エライのですが、
時は確か1995年以前、教習所では、これが取得できなかったのです。
当時、いわゆる「
教習所で丁寧に!?教えてもらって受験するメニューがあったのですが、
中型限定を解除して、
大型オートバイを運転できる免許を取得するには、
教習は無く、ある意味ぶっつけ本番で試験会場で挑戦するしかなかったのです。
これが返って限定解除を勝ち取った者の希少価値を高め、
オートバイ乗りにとって、英雄視にも近い尊敬を集める事になっていました。
そこで、1995年に制度の変更があり、
教習所でも取得できるようになるとのニュースが伝わると、
未取得者は考えました。
制度が変わる前に取得しなければ、英雄になれない。
私は、そこまでの思い入れはありませんでしたが、
慌てて受験準備を整える友人もいました。
制度変更後も教習所を頼ること無く、
一発合格を決めた者もいるでしょう。
でも、その価値を認めてもらえないのです。
さて、AIの話題に移ります。
今後、小説やマンガなどオリジナルの創作物を発表しても、
オリジナルを簡単に証明できなくなる恐れを抱いています。
プロットや下書きをAIと討論しながら仕上げるのは良しとしても、
最終的な公開作品をAI任せにした場合でも見分けがつかなくなる、
そんな技術の進歩が予想されます。
それを懸念して、開催が中止となった俳句のコンテストがあると聞きました。
濡れ衣を着せられかねなくなるのです。
今なら、2025年12月の時点なら、まだ間に合うでしょうか。
これは、私のオリジナル作品です、価値を認めてくださいますか?
そう言えるように、慌て始めました。
早く作品を仕上げなければ。
AIと著作権と作家の未来 2 ムーゴット @moogot
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