第4話 覚醒する力

翌日、リリアは王妃の茶会の準備を手伝っていた。


美しい磁器のティーカップを並べていると、突然強い頭痛に襲われた。


「あ...」


カップが手から滑り落ちる。だが、床に落ちる寸前で、カップは宙に浮いた。


「何これ...?」


カップはゆっくりと彼女の手元に戻ってきた。周りの侍女たちが驚いて見つめている。


「リリア様に魔力が...!」


「すぐに王妃様にお知らせしなければ!」


騒然とする中、リリアは混乱していた。魔力?自分に?


その時、王妃アイザベラが現れた。美しく威厳のある女性だが、リリアを見る目は冷たかった。


「あなたが噂の新しい侍女ですね」


「は、はい」


「ローゼンベルクの血筋で、魔力まで持っている...」王妃の声は氷のように冷たかった。「非常に...興味深いことです」


その視線に、リリアは得体の知れない恐怖を感じた。

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紅蓮の艦~王子たちの狂 愛に囚われて~ 月野あまね @kanrena

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