第3話 隠された血筋

その夜、リリアは図書館で一人、自分の家系について調べていた。


ローゼンベルク家。確かにかつては名門貴族だったが、十五年前に反逆罪で断絶した。だが、なぜ自分がその名前を名乗っているのかわからなかった。


「調べ物ですか?」


振り返ると、アルフレッドが立っていた。


「殿下...夜分にすみません」


「構いません。僕も本を取りに来ただけです」


アルフレッドは彼女の隣に座った。


「ローゼンベルク家について調べているのですね」


「はい...でも、よくわかりません」


「君は本当に何も知らないのですか?自分の出生について」


リリアは首を振った。物心ついた時から、花屋のおじいさんに育てられていた。両親については何も教えてもらえなかった。


「もしかしたら...」アルフレッドが口を開きかけた時、図書館のドアが開いた。


「弟よ、夜更けに女性と二人きりとは感心しませんね」


ヴィクトールだった。その後ろにはエドワードもいる。


「僕たちは勉強をしていただけです」


「勉強?」ヴィクトールの口元に薄い笑みが浮かんだ。「彼女がローゼンベルクの血を引いているなら、それは非常に...危険なことですね」


「何が危険なのですか?」リリアが問いかけた。


三人の王子が彼女を見つめた。その視線には、それぞれ違った感情が込められていた。


愛情、執着、そして...狂気。

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