詩「エンジン警告灯」
金子よしふみ
第1話
昨日エンジン警告灯が点いたので
今日電話をかけてから工場へ持って行った
ひとまず乗るのに支障はないそうだが、
一部部品の交換が必要だという
普段何ともないと思っている自動車でも、
こうしてアラームが点くと驚いてしまう。
専門家に任せるほかにはないのだが、
長く乗っているとこうしたことも出てきてしまう
エンジンの部品が届いたとの連絡があったので朝一で行くと、代車が用意されていた
やはりギアの位置がマイカーと違っているので見ないと空振りをしてしまう
午後になって工場から電話があって修理が終わったとのこと
とはいえ今日はもう遅かったので明日伺うと伝えた
マイカーよ、一晩待っていてくださいな
昼過ぎ車を取りに工場へ行ったが誰もいない
店内の電灯がついていないが、
自動ドアは開いたし、ラジオもついている
何度か声をかけたけれども返答はない
それでも声を出すと、二階から降りて来る人影が
声をもう一度かける
作業員らしい、つなぎ姿の若者だった
車を取りに来たことを告げる
自分の車を指さして
「ああ、直ってますよ」
一礼をしてからマイカーで工場をあとにした
その時、別の作業員と事務員が店の横にいた
どうやら昼食休憩のタイミングだったようだ
そんなことを思いつつ操作に慣れたマイカーに乗って買い物へ出かけた
詩「エンジン警告灯」 金子よしふみ @fmy-knk_03_21
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