私に合う薬と出会える日を夢見て

笹椰かな

私に合う薬と出会える日を夢見て

私の不幸を治してください!願いと共に薬瓶手に取る


口含む薬の味に顔をしかめ身体からだがひたすら嚥下えんげを拒む


良薬と信じ無理して毒のよなそれ飲み込みてまぶたが濡れる


うずくまり苦味が去るのを待つあいだ地面見つめて蟻を見守る


胃のうちでゆらゆらと揺蕩たゆたうそれが私を救済してくれるはず


待てど暮らせど期待していた変化なく肩を落として薬瓶投げる


スケジュールアプリをタップし受診の予約日見つめて嘆息


どうでした前回出したお薬は?医師の問いかけ毎度変わらず


わかりませんこのお薬を飲む前と後の違いがわかりません


そうですか別のお薬お出ししますいつまで続くの?このループ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

私に合う薬と出会える日を夢見て 笹椰かな @sasayakana456

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画