キャンプの朝の"小"事件

キックミラキス

キャンプにて

A: 朝日が差し込んで眩しっ!あかん目が覚めてしもうたわ…って、今何時や?えっと、まだ五時半やないかーい!もうちょっと寝よ…あれ?…何?この感触?え?え?うわー!やばい!俺、完全におねしょしてしもうてる!どないしょー!


B: うーん…何や朝早よから…今何時やねん?(寝ぼけた声)


A: お、おう!まだ真夜中や!寝といてええでー!(慌てふためく)


B: もう明るいやないかー!天気のええ気持ちいい朝やし、目も覚めたし起きようぜー!(のんびり)


A: どこが気持ちいい朝やー!むしろめちゃ気持ち悪いわー!(半泣き)


B: めちゃ気持ち悪い?(怪訝な顔)


A: 何もあらへん!せやから、まだ真夜中や!陽もまだ昇ってへん!(強引)


B: 陽は昇っているやん!(窓指さす)


A: あれは、昨日の太陽や!(即答)


B: なんでやねん!昨日夜、暗くなってからも二人でずっと缶ジュース飲みながら話していたやろが!(ツッコミ)


A: そや、それや!ジュース怖いわぁ~!(真顔)


B: ジュース怖い?何を「今度は熱いお茶が怖い」みたいなこと言うてんねん!お前、何か朝からおかしないか?(呆れ)


A: おかしない!いつも通りや、ほんま!ええからもっと寝とけって!頼む、寝てくれ!寝ろ!…あ!お前の顔に「もっと寝とかな不幸になる」って書いてある!(デタラメ)


B: 書いてへんわ!朝から何ふざけてんねん!さっさと起きるぞ!ほら!(布団をはがす)


A: うわぁっ!やめろっ!いきなり布団はがすな!返せー!(必死)


B: …え?(固まる)


A: はぁ…ああ…もう…(絶望)


B: あの…なんか、ごめん…ほら、布団返す…(申し訳なさ)


A: (布団でおねしょを隠し、挙手しながら)はいっ!(授業風)


B: はい、Aくん…(教師風)


A: あなたが今見ているこれは、夢です!起きたら忘れましょう!(宣言)


B: いや、起きてるって!まぁ、寝る前ジュース飲んでそのまま寝落ちしたからな…仕方ない。うん、これは仕方ないわ。ちょうど、俺も今からトイレしようかなと思ってたとこやからさ…(フォロー)


A: は?寝落ち?昨日の夜には、俺、寝る前にトイレ行ったし!(反論)


B: あ、そうなん?お前が寝落ちして返事なくなったんで俺も寝たんやけど…(回想)


A: じゃその後だったんかな…ふと「あ、そうだ、寝る前にトイレ行っかなアカンな」と気づいて…ほら、外に出たところに、地下室に下りる階段があるやろ…(真剣)


B: ねぇよ!このテントの外に、地下に下りる階段なんか!(即ツッコミ)


A: で、地下に降りたら俺んちのいつものトイレでよ…そこですっきり済ませてから寝たんだけど…(ニヤリ)


B: いやいや!いやいや!どう考えてもそれが「夢」な!(断定)


A: (しばらく間をおいて…挙手しながら)はいっ!(再び授業風)


B: はい、Aくん…(諦め)


A: 誰か俺のパンツの中におしっこしやがった野郎がいます!(被害者面)


B: お前だよ!通りがかりの幽霊でもパンツに入ったのかよ!(ツッコミ)


A: それだ!(閃き)


B: それだ、じゃねぇよ!さっきは強引に布団引っ張りはがして悪いことしたけどさ…俺も見ちゃったし…あれは、紛れもない、おね…(言いかけて)


A: わーっ!何も聞こえませーん!(耳塞ぎ)


B: わかった、わかったよ…でもほら。俺たちって今は中学生だけど、言っちゃ、まだちょっと前まで小学生やったし、これってギリセーフじゃね?お前も普段はトイレの夢をみておねしょしたり、しねぇんだろ?(慰め)


A: トイレの夢をみておねしょだと?はあぁ~、お前は何も知らねえんだな…人は、おねしょするとき、いちいちトイレの夢なんて見ねぇの!これだから素人は困る!(ドヤ顔)


B: お前プロなのかよ!恥ずかしいプロだな!(呆れ笑い)


A: 1年生までに治してやってもいいんだぜ!治った俺を見て、ほえ面かくなよ!(威勢)


B: かかねぇよ!っていうか、俺ら「今」がその「1年生」だろうが!「中学1年生」!俺たちはもう1年生になっちゃってるの!(指摘)


A: 早合点な!「1年」って「高校1年生」でした!(修正)


B: うわ、引っ掛かった!そっちか!じゃねぇよ!なに長期計画で臨んでんだよ!なんで3年後の「1年生」が目標なん?(ツッコミ)


A: 我が家には(遠い目)…俺が幼稚園のころからかかっている掛け軸があって「1年生のお兄ちゃんになる前におねしょ卒業」って書かれている…これが我が家の家訓や!1年生を目標とするのは我が家の掟なんや!(荘厳)


B: えと、恐らくなんだけどさ…お前んちの、その「1年生」って「高校1年生」とは、違うんとちゃうかな…それよりも、そんな掛け軸が座敷にかかってんの?(疑い)


A: 座敷?いやさすがに…さすがに座敷にはかかってへんけどな…(照れ)


B: そうやろうなぁ…ごっついインパクトのある座敷やな思たわ…(安堵)


A: 玄関の内側をあけた正面にどーんと!(自慢)


B: 内側な、内側!玄関の外側にかかってるんやなくてよかった…(苦笑)そうかそうか、それでその掛け軸を小さい時からずっと見続けてるんか…(感慨)


A: 見続けてる?いやいや!親が治ったと思うたびに掛け軸は仕舞われるので、ずっと見てきたわけない!(即答)


B: そこは分からんでもないな…しばらくせぇへんで「もう治った」と思ったら、しばらくしてまたした時な…久しぶりのおねしょって、朝気づいたとき「うゎあ」って飛び上がるほどびっくりせぇへん?(共感)


A: え?そんなことあるか?(無関心)


B: あるやろっ!せっかくこっちが歩み寄ってやってんのに。賛同せえや!(熱弁)


A: さてはお前もおねしょのプロやな!(指さし)


B: やかましわ!なに鬼の首をとったような気になってんだ、今の状況わかってんのか。(反撃)


A: そこいくと、俺はもう夢の中でトイレ行ってるし、一足先に、おねしょ卒業生や!(勝利宣言)


B: おねしょ留年生じゃ!(最終ツッコミ)

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キャンプの朝の"小"事件 キックミラキス @Cick_Mylaxs

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