暗闇を突き抜けて

飄々とした世界観の中に、
退廃的で露悪的な思いが吹き上がる、
不思議な魅力に満ちています。

タイトルを見てみると、
罪、咎、汚れ、そして憂と、
マイナスイメージの言葉が集っているのですが、
作品は、むしろ、
マイナスイメージという暗闇が生み出す、
明るい華やぎにあふれていて、
こころ打たれるのでした。

自己肯定感と自己否定感の交錯する短歌集でしょう。

推し短歌1首。

天国はどうでもいいけど地獄だけはあってくれ 我が罪を捌いてくれ