6限目、音楽[コアラ先生]

最後の授業、音楽室に入るとすぐに、コアラ先生はピアノの横に腰を下ろし、ふわりと眠りに落ちた。


生徒たちはざわついたが、やがて静かになった。


耳を澄ますと、寝息が「きらきら星」の旋律を形作っていたのだ。


「ドー、ドー、ソー、ソー……」


息のリズムが重なり合い、音楽室いっぱいに優しい調べが広がる。


誰も声を上げず、誰も笑わない。


ただ自然と机に頬を寄せ、旋律を聴きながら時間が過ぎていった。


夕暮れの光が差し込み、寝息がふっと途切れると同時にチャイムが鳴る。


授業は歌うことも演奏することもなく終わったが、生徒たちは胸の奥に温かい余韻を残して教室を後にした。

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小さな先生のいる中学校【癒し・シュールギャグ】 ほねなぴ @honenapi

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