アニメ「cocoon ~ある夏の少女たちより~」を視聴しました。
蓬葉 yomoginoha
アニメ「cocoon ~ある夏の少女たちより~」を視聴しました。
※途中までネタバレはありません。
「映像の世紀 バタフライエフェクト」からなにげなく流していたNHKで、さきほどふいにアニメが流れ始めました。
タイトルは表題の通り、「cocoon ~ある夏の少女たちより~」。
戦争、それもおそらく沖縄をモデルにしたアニメだということはすぐに確認できましたが、結論から言うと、見終わったのち、しばらく「喪失感」のようなものに包まれてました。しかし、不思議とまた、見たいと思ってしまいました。
おそらく、戦争アニメの系譜を引き継ぐ作品でしょう。私はあまり戦争のアニメを見ないのですが、それだけに、なおさら強く心に染み入ったのかもしれません。
さて、喪失感などマイナスな感情を感じてしまう作品は、心には残りますが、もう一度見たいとはなりません。実際、読んだ後、もしくは見た後に、面白い話だけれど「もう二度と見たくない」と思った作品はいくつかあります。
しかし、この作品はまた見てみたいと思う。
その理由は、まず戦争を題材にしているとはいえ、どこか今に通ずる普遍的な問題や人間の心情をさらっていることがまず一点あげられるでしょう。
しかし、おそらくもっとも大きな原因は、EDテーマです。
このアニメのための書き下ろし曲ではありません。私自身、さっき初めて聴いた曲です。そのEDテーマも短いのですが、アニメの60分間を包括するような素敵な曲となっています。「千と千尋の神隠し」における「いつも何度でも」に近い感覚になりました。これは、EDのアニメーションの影響も強いのでしょうが。
60分ではありましたが、戦後80年にふさわしい作品だったのではないかと、私は思いました。考えることを要求される作品です。しかし、それが故に、心に残る。
また再放送があれば、深夜でも見たいと思います。
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※ここから下には、私が見ていて最も印象に残ったシーンを書きます。ネタバレが含まれますので、まだ見ていない方、これから見る予定のある方は退避してください。
物語中盤、サンの友人タマキが亡くなる場面があります。
あのシーンで、この作品の行く先がわかりました。
正直なことを言うと、直前のシーンを見た時、さわりといやな予感はしました。死んでしまうのではないかと。普段私は字幕をつけてテレビを見るのですが、私の記憶では、タマキは緑字幕でした。テレビでは、主人公に黄色字幕、それに次ぐ人物に青字幕、それに次ぐ人物に緑字幕が与えられます。この物語におけるタマキの立ち位置はそこなのです。だからこそ、メタ的な見方になるのですが、油断していました。
しかし、現実はそれを打ち砕きます。
アニメを制作された方は意図していないかもしれませんが、戦争はどのような人でも殺してしまうということを表していたように私は解釈してしました。
また、このシーンから、起承転結のうち、長く絶望に包まれた「転」がはじまったと、私は感じます。
この作品、実は「結」の部分がとても短いです。牧歌的な「起」と少しだけ状況が変わる「承」があり、そこから長く苦しい「転」へ。その後すぐに「結」、そしてEDテーマへとつながる構成です。「喪失感」はここにも由来する気もしますが、おそらく、余白における想像の余地がここにはあるのでしょう。
タマキの死のシーン。
彼女はその直前に、青字幕、つまり第二の主要人物である「マユ」にプレゼントを渡すよう、主人公サンに言い、洞窟の外へと向かいます。
それに励まされたサンは、洞窟の入り口から洞窟へと戻ってくるマユにそれを渡そうと声を掛けます。
NHK+で、再度そのシーンを見てみたのですが、そのとき、つまり洞窟の外へ歩いていたタマキが、こちらへと振り返っているのです。そして、洞窟の外へ向かい、命を落とす。
やはり、このシーンは、優しかった「起」、そしてまだ笑顔で過ごせていた「承」から「転」への切り替わりと考えられます……。
何より、サンがどのように戦後を生きたのか。失ったものをどう捉えて生きたのか。それを想像しながらEDテーマを聴くと、涙が出てきます。
ほかにも細かく見たらまだ見えてくるものがあると思います。
また、見たときになにか気づくことがあれば、それも書き記したいなと思います。
アニメ「cocoon ~ある夏の少女たちより~」を視聴しました。 蓬葉 yomoginoha @houtamiyasina
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