四章 騒音

隣の部屋からいつも音漏れしていた。

部屋の住人がいつも夜中になったら大音量で曲を鳴らすのだ。

うるさいなあ、と思って壁をドンと叩いてもやめない。

耳栓をしてもそんなに効果がない。

それに、迷惑をかけられているのになぜこちらが我慢しなくてはならないのか。

自分の好きな音でもない音楽を聞かされるのは苛立ちの元でしかない。

ある日、解決策を思いついた。

音には音を、だ。

スピーカーをそちらに向けて音を流すと、やっと自分の迷惑さに気づいたのかだんだんと音が小さくなっていった。

最後はギイギイとスピーカーが壊れたような音が聞こえる。

やっと静かになった、と思った。

ざまあみろ。


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或る古本屋の話 錦木 @book2017

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