時輪の記　第6話 　 影の銃声 ― ハルビンの夜明け

1909年、ハルビン駅。
列車の到着を待つ人々のざわめきの中、主人公・北條新仁は、不思議な懐中時計に導かれ、歴史の大事件の只中に立っていた。
――そこでは、近代日本を築いた伊藤博文が暗殺される。

未来を知る青年は、必死にその運命を変えようともがく。
銃口を逸らし、群衆の混乱を抑え、小さな命を守ることには成功した。
だが、歴史の大きな流れは止められない。

大きな歴史は動かせなくとも、小さな歴史は変えられる。
その積み重ねが、未来を変える力になると信じて――。