——静謐にして苛烈な救済譚
- ★★★ Excellent!!!
名家の令嬢エリーゼの世界は「灰色」。味も匂いも喪った日々に、彼女は石鹸の香りと陽だまりを纏う若きシスター・セラと出会う。静かな語らいはやがて信頼へ、そして「生」を取り戻すための決断へと収束していく。
耽美×心理小説として極めて完成度が高く、女性の生と尊厳を描いた一編。重いテーマと筆致だが、確かな手触りの文体が最後まで導いてくれる。心を抉られたい夜に、おススメのお話。
※自傷描写/宗教的儀礼の表現あり(苦手な方は注意)