あの令嬢は?──それでも生まれたのは、たしかな恋と、消えない余韻?

冒頭を読み始めた方────

風邪をひいた進ちゃんに、父が絵本を読み聞かせる──
……だけの物語?

いやいや、この作者さんがそんなはず、ありませんって!

タイトルに白々しく“婚約破棄”とか書いてありますけど、
もう最初から最後まで、
“テンプレ”とか“ジャンル”とか、分類という枠に
収めようなんて気がまったくない作品 です。

正直に言います。

この物語を私の文章力でまとめて語るなんて、不可能です。

だから、もし紹介文が読みたいなら──
他の人のレビューを読んだ方がいいです。(オイ!作者さんに叱られんぞ!)

「切ないのに温かくて、悲しいのに救いがある物語」
なんて、そんな上品な一行で片付く作品じゃありませんよ。

まず、「揚羽党」「闇黒阿片」「カラクリ人形」……
次々と叩き込まれる謎の連続。
しかも新選組サイドは完全に“コメディ担当”。

序盤は 幕末×怪異×逃避行ロマンス。
そこから突如、
陰謀劇 → サスペンス → ホラー → 幕末版ミッション:インポッシブル へ一直線。

読者は常に、

「え、なにこれ?なんかずっとヤバいものに巻き込まれてない!?」

という不安と笑いを同時に味わい続ける羽目になります。


そして極めつけは、
高名な絵師のくせに画力がアレすぎる“蠣崎”。

そこへ突然流れ出す謎の童歌──
『イルカヤ…ネルカヤ…カエルカヤ…』

このあたりから、もう紹介文をまとめる気が失せましたw

歴史ディテールの正確さ、
ドラマの巧妙さ、
キャラの正体に隠された伏線……

張蔵は?
蠣崎は?
琴絵は……一体誰?

読み終わっても頭がずっと旅を続けている感じ。

──ほ~ら、やっぱり。 紹介文を書くなんて無理だったでしょ?

それでも心に残るんです、なぜか、この物語は。

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