圧倒的叙事詩SF——星々の集いは大海を揺るがす海嘯となるか?!

透明感のある精緻な描写が印象的で、まるで星々の海を旅しているかのような清涼感が、作品全体を包んでいます。砂丘や星獣、旧都文明の遺物など、舞台設定の一つひとつが丁寧に描かれており、読者はその世界に自然と没入していきます。

キャラクターたちは皆、信念や目的を持って行動しており、その姿勢に強く惹かれました。特にダビーとコルヌスのバディ関係は、恋愛未満ながらも深い信頼で結ばれており、互いに補完し合う姿が非常に魅力的です。加えて、脇役であるアステリーも含め、登場人物それぞれが個性を持ち、物語に厚みを与えています。

また、深淵や宇宙的恐怖の描写も絶妙で、星獣の存在やコズミックホラー的存在のイメージは、読者の想像力を刺激しつつ、物語に緊張感と神秘性をもたらしています。

このレビュー時点では、物語はこれから佳境に入る段階であり、今後の展開に大きな期待を抱きました。
星々達の集いが、星海という恐怖にどのような波紋を引き起こすのか——抗い、打ち勝つことはできるのか?——その答えを見届けるのがとても楽しみです。

その他のおすすめレビュー

島アルテさんの他のおすすめレビュー199