恋とは壊れることだろうか

髪、瞳、笑顔、體、裸、手、手首など、
身体感覚の優れた短歌が並んでいます。

どうやら女性の幽霊との恋を綴っていて、
オリジナリティーあふれる連作です。

短歌の表記も、
1行書き、2行書き、3行書き、4行書き、5行書きと、
バリエーション豊かで、飽きさせません。

そして、何よりも、
壊れるという動詞が何度かリフレインして、
作品の世界観の重心になっているのです。

野心あふれる短歌集。

推し短歌1首。

  私より壊れてるのは

君だよ

 と

 壊れた君が

   泣いて笑った