依々恋々な良い恋愛 〜恋愛マスターと呼ばれた少女の恋バナ事件簿ノート〜

苺愛

プロローグ

 『恵まれない日々を送る少女が、ある日突然王子様に出会い、恋におちました。

真実の愛を手に入れた少女は、王子と結婚して、末長く幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。』


 良くも悪くもベタな、むかしむかしのおとぎ話。

良いところは、夢があるところ。

さて、じゃあ悪いところはなんだと思います?

女性にとっての幸せが結婚することかのようで古臭いからもっと自立したヒロインを、とかそういう最近の時事的な話ではなくてですね。

結ばれた後、めでたしめでたしのその後が描かれていないところだと、私は思うんです。




 中学生というのは、精神肉体共に成長過程の思春期で、背伸びしたがりな時期だ。

それは、今目の前にいる同い年の女の子たちみんなはもちろん、私にも当てはまることだろう。

相手は王子様じゃないけれど、恋に落ちて、付き合って、真実の愛や運命に心躍らせたい。

そんなふうに夢を見て、お付き合いといった大人びた行為に背伸びして手を伸ばして、


…大抵は1週間から3ヶ月で別れる。

中学生とはそういうものだ。

やれ既読がつかないだのやれ気まずくなっただの、理由は聞き飽きた。


それでも私たちはこうして集まって、恋バナをする。

それは、単に別れるということでは解決できない事情を抱えた私たちの、情報交換であり愚痴の行き先だから。



 今日から私は、それらを記録としてここに書き連ねていこうと思う。題して、恋バナ事件簿ノート。


今日も今日とて、ここに集った7人…失礼、私を含めて8人の中学生たちが、各々の想いを語る。


 内気すぎる片想いの美桜。

 無自覚人たらしの綾子。

 キュートアグレッションの理子。

 元カノとバトル中の幸。

 勘違い片想いの音葉。

 モラハラ彼氏持ちの陽菜。

 リアコ同担拒否の茜。

 そして、幼馴染と恋愛中の私こと友美。


退屈な公立中学校の日々におけるスパイスとしては、少々味が濃すぎるかもしれない。


これは、彼とうまくいかない私たちが、好きすぎて離れがたい、つまり依々恋々な良い関係、良い恋愛を目指す日々の記録である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

依々恋々な良い恋愛 〜恋愛マスターと呼ばれた少女の恋バナ事件簿ノート〜 苺愛 @strawberry_luv

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ