『俺達のグレートなキャンプ79 ギネスを狙え!スクワット最高回数』

海山純平

第79話 ギネスを狙え!スクワット最高回数

俺達のグレートなキャンプ79 ギネスを狙え!スクワット最高回数


夕日が奥多摩の山々を染める中、石川はテントサイトの真ん中で両手を腰に当て、満面の笑みを浮かべていた。

「よーし!みんな聞いてくれ!今日の『グレートなキャンプ』のメインイベントを発表するぞー!」

(石川、いつものように大声で宣言。周囲のキャンパーがちらちらと振り返る)

千葉は焚き火の準備を中断し、目をキラキラさせて振り返った。

「お、ついに来たね!今回は何だ、石川?前回のマシュマロタワー対決も最高だったけど、今度はどんなグレートなことをするんだ?」

(千葉、期待に胸を膨らませながら手をぱんぱんと叩く)

一方、富山は薪を抱えたまま、不安そうな表情を浮かべていた。

「ちょ、ちょっと待ってよ石川。また変なこと考えてるでしょ?前回だって管理人さんに怒られかけたじゃない…」

(富山、薪を地面に置きながら、おろおろと手をひらひら振る)

石川は胸を張り、人差し指を空に向けて高々と掲げた。

「今回のテーマは…『スクワット最高回数でギネス記録を狙う』だ!!」

(石川、ドヤ顔で腕組み。背景で夕日が神々しく輝く)

「「え???」」

(千葉と富山、同時に声を上げて硬直)

千葉は目を丸くし、口をぽかんと開けた。

「ス、スクワット?あの上下に屈伸するやつ?」

「そうだ!現在のギネス記録は4,708回!俺たちならそれを上回れるはずだ!」

(石川、両手でスクワットのポーズを取りながら熱弁)

富山は頭を抱えて小さく震え始めた。

「ちょ、ちょっと待って!なんでキャンプでスクワットなのよ!しかもギネスって…そんなの無理に決まってるじゃない!」

(富山、両手をぶんぶん振りながら必死に制止)

「富山ちゃん、心配しすぎだよ!石川の言う通り、どんなキャンプも一緒にやれば楽しくなる!」

(千葉、富山の肩をぽんぽんと叩きながら満面の笑み)

「千葉まで!あんたもたまには疑問に思いなさいよ!」

(富山、千葉の胸倉を掴んでゆさゆさ揺らす)

石川は既に準備に取りかかっていた。リュックから小型のカウンターを取り出し、地面に設置する。

「よし、これで回数をカウントするぞ!目標は5,000回だ!」

(石川、カウンターをぺたぺたと叩いて動作確認)

隣のテントサイトから、中年の夫婦キャンパーが心配そうに覗き込んできた。

「あの…大丈夫ですか?なんだか騒がしいようですが…」

(中年夫婦、テントの陰からひょっこり顔を出す)

石川は振り返ると、にっこりと笑顔を向けた。

「お疲れ様です!俺たち、今からスクワットでギネス記録に挑戦するんです!よろしければ応援してください!」

(石川、深々とお辞儀。背後で富山が「やめてー!」と小さく叫ぶ)

「え…スクワット?キャンプで?」

(中年夫婦、顔を見合わせてきょとんとする)

千葉も手をひらひらと振りながら説明に加わった。

「そうなんです!僕たちのキャンプはいつもグレートなんです!前回はマシュマロで2メートルのタワーを作りました!」

「今度はそれがスクワットなのね…」

(中年の奥さん、困惑しながらも微笑む)

富山は顔を真っ赤にして、石川の袖を引っ張った。

「石川!いい加減にしなさい!周りに迷惑かけちゃダメでしょ!」

「大丈夫だって!みんな興味深々じゃないか!」

(石川、富山の手を軽やかにかわしながら準備続行)

すると、向かい側のサイトからも大学生らしきグループが近寄ってきた。

「おっす!なんか面白そうなことやってるっスね!」

「スクワットでギネス記録って本当っスか?」

(大学生たち、好奇心丸出しで集まってくる)

石川の目が輝いた。

「おお!君たちも興味あるか?一緒にやらないか?チーム戦にしよう!」

(石川、大学生たちと握手を交わす)

「マジっスか!面白そう!」

「俺、運動部だったんで自信あります!」

(大学生たち、やる気満々でポーズを取る)

富山はもはや諦めモードで、地面にぺたんと座り込んだ。

「はぁ…また巻き込んじゃった…」

(富山、膝を抱えて小さくなる)

千葉は富山の隣に座り、優しく背中をさすった。

「富山ちゃん、大丈夫だよ。石川のキャンプはいつも最初は変だけど、結局楽しくなるじゃない」

「そうだけど…今度は本当に大丈夫かしら…」

(富山、不安そうに石川を見つめる)

石川は既に準備運動を始めていた。両手を上に伸ばし、大きく体を伸ばす。

「よーし!まずはウォーミングアップだ!みんな一緒に!」

(石川、ラジオ体操のような動きで周囲を巻き込む)

大学生たちも楽しそうに体操に参加する。中年夫婦も苦笑いしながら見守っている。

「1、2、3、4!」

(全員で声を揃えて体操)

近くのテントサイトからも、次々と人が集まってくる。家族連れ、ソロキャンパー、カップルまで、気づけば10人以上の観客ができていた。

「何事ですか?」

「スクワット大会だって」

「キャンプでスクワット?」

(観客たち、ざわざわと話し合う)

石川は観客の多さに興奮し、さらにテンションを上げた。

「よーし!観客もいることだし、本気でやるぞー!目指せギネス記録!」

(石川、両拳を空に突き上げる)

富山は頭を抱えて溜息をついた。

「完全に注目の的になっちゃった…」

千葉は富山の手を取って立ち上がらせた。

「富山ちゃんも一緒にやろうよ!せっかくだし!」

「え?私も?」

(富山、慌てて手をぶんぶん振る)

「そうだ!チーム戦にしよう!石川チーム、千葉チーム、富山チームで!」

(石川、指を立てて提案)

大学生の一人が手を上げた。

「俺たちも混ぜてください!負けませんよ!」

「いいね!じゃあ大学生チームも作ろう!」

(千葉、手をぱんと叩いて賛同)

気づけば、キャンプ場の一角が即席のスクワット大会会場になっていた。石川が司会進行を務める。

「それでは皆さん!第1回奥多摩キャンプ場スクワット選手権の開催です!」

(石川、まるでプロレスの実況のような口調)

観客席(地面に敷いたレジャーシート)からは拍手と歓声が上がる。

「頑張って!」

「面白そう!」

(観客たち、手をぱちぱち叩いて応援)

富山は参加者の列に並びながら、小声でつぶやいた。

「なんで私がこんなことに…」

隣に並んだ大学生が声をかけた。

「大丈夫っスよ!楽しくやりましょう!」

「あ、はい…ありがとう…」

(富山、照れくさそうに微笑む)

石川が大声で説明を始めた。

「ルールは簡単!30分間でより多くのスクワットをした人の勝ち!ただし、フォームが崩れたら失格だ!」

(石川、正しいスクワットのお手本を披露)

千葉も負けじと腕を回して準備する。

「よーし!絶対負けないぞ!みんな、準備はいい?」

「おー!」

(全参加者、気合いの声を上げる)

キャンプ場の管理人さんが様子を見に来た。薄暗がりの中、懐中電灯を持って近づいてくる。

「こんばんは…何か騒がしいようですが…」

(管理人さん、困惑した表情で現れる)

石川は慌てて駆け寄った。

「管理人さん!すみません、ちょっとスクワット大会をやってまして…」

「スクワット…ですか?」

(管理人さん、眼鏡を上げて首をかしげる)

「はい!ギネス記録に挑戦してるんです!皆さんにも喜んでもらえてますし…」

(石川、観客席を指差して説明)

管理人さんは周りを見回すと、確かに皆楽しそうにしているのを確認した。

「まあ…他の方に迷惑をかけなければ…でも夜中まではダメですよ」

「ありがとうございます!21時には終わらせます!」

(石川、深々と頭を下げる)

富山はほっと胸をなでおろした。

「良かった…怒られるかと思った…」

千葉はもう既にスタートポーズを取っていた。

「よーし!それじゃあ始めようか!」

石川が腕時計を確認する。

「現在時刻20時15分!21時15分まで、60分間勝負だ!」

(石川、ストップウォッチを構える)

「え?さっき30分って言わなかった?」

(富山、慌てて確認)

「気が変わった!60分の方が記録を狙えるからな!」

(石川、にやりと笑う)

「またそうやって…」

(富山、溜息をつきながらもポーズを取る)

観客席から声援が飛ぶ。

「頑張れー!」

「石川さん応援してます!」

(観客たち、手を振って応援)

ついに石川がカウントダウンを始めた。

「5、4、3、2、1…スタート!」

(石川、派手にストップウォッチを押す)

一斉にスクワットが始まった。千葉は軽やかなリズムで上下し、大学生たちは力強く腰を落とす。富山はおそるおそる、でも意外にも正確なフォームで続ける。

「1、2、3、4…」

(参加者たち、それぞれのペースで数を数える)

石川は解説役に回った。

「おー!千葉、いいペースだ!富山もフォームが美しい!大学生チームも負けてないぞー!」

(石川、マイクを持った実況アナウンサーのように振る舞う)

10分経過。まだ全員余裕の表情だ。

「100回突破!」

「まだまだ行けるぞ!」

(参加者たち、声を掛け合って励まし合う)

20分経過。少し汗ばんできた。

「あ…あれ?思ったより…キツイ…」

(千葉、息が上がり始める)

「大丈夫?ペース落としても良いよ?」

(富山、心配そうに声をかける)

「いや…まだ…行ける…!」

(千葉、歯を食いしばって続行)

30分経過。ここで最初の脱落者が出た。

「すみません…限界です…」

(大学生の一人、膝をついてリタイア)

観客席からは温かい拍手が送られる。

「お疲れさま!」

「よく頑張った!」

(観客たち、拍手で労う)

40分経過。残るは千葉、富山、大学生一人の3人。

「ハァ…ハァ…まだ…やる…」

(千葉、顔を真っ赤にしながらも継続)

「ちょっと千葉!無理しちゃダメよ!」

(富山、自分も苦しいのに千葉を心配する)

「俺も…負けない…っス…!」

(大学生、汗だくになりながら頑張る)

石川は興奮して実況を続ける。

「残り20分!現在のトップは富山!なんと安定したペースを保っている!」

(石川、富山を指差して大げさに実況)

「え?私がトップ?」

(富山、驚きながらもリズムを崩さない)

50分経過。ついに千葉が限界を迎えた。

「ごめん…もう…ダメ…」

(千葉、その場にぺたんと座り込む)

観客席からは大きな拍手。

「千葉さんお疲れさま!」

「すごかったよ!」

(観客たち、スタンディングオベーション)

残るは富山と大学生。意外な展開に会場は盛り上がった。

「富山ちゃん頑張れ!」

(千葉、座り込んだまま応援)

「あと10分!」

(石川、タイマーを確認しながら叫ぶ)

55分経過。大学生もついに力尽きた。

「参りました…富山さんの勝ちです…」

(大学生、清々しい表情でお辞儀)

会場は大盛り上がり。富山が予想外の優勝者となった。

「富山ちゃん!すごいよ!」

「まさかの逆転劇!」

(観客たち、立ち上がって拍手喝采)

富山は最後の5分を一人で黙々と続けた。周囲の声援を受けながら、いつの間にか楽しくなっている自分に気づく。

「あと…3分…!」

(石川、カウントダウン開始)

「富山ちゃん!最後まで頑張って!」

(千葉、拳を握って応援)

ついに60分が経過。石川がストップウォッチを止めた。

「タイム!お疲れさま!」

(石川、大きく両手を上げる)

富山はその場にへたり込んだが、なぜか満面の笑みを浮かべていた。

「やった…最後まで…できた…」

(富山、息を切らしながらも達成感に満ちた表情)

千葉が駆け寄って富山を抱きしめた。

「富山ちゃん、本当にすごいよ!」

石川も感動して涙を浮かべていた。

「富山…君が一番グレートだったよ…」

(石川、ハンカチで目頭を押さえる)

観客席からはアンコールのような拍手が鳴り響く。中年夫婦も笑顔で拍手している。

「いやー、面白かった!」

「まさか富山さんが優勝するとは!」

(観客たち、興奮冷めやらぬ様子)

大学生たちも清々しい表情で握手を求めてきた。

「富山さん、本当にすごかったです!」

「俺たち、完全に見くびってました!」

(大学生たち、敬意を込めて握手)

管理人さんも笑顔で近づいてきた。

「いやあ、最初はどうなることかと思いましたが、良いイベントでしたね」

「ありがとうございました!」

(石川、深々とお辞儀)

結局、富山の記録は3,240回。ギネス記録には届かなかったが、キャンプ場史上最高の盛り上がりを見せたイベントとなった。

後片付けをしながら、富山がつぶやいた。

「不思議…最初は嫌だったのに、やってみたら楽しかった…」

千葉が頷く。

「そうなんだよ!石川の企画はいつもそうなんだ!」

石川は既に次のプランを考えていた。

「次回は『焚き火で作る世界最大のスモア』に挑戦しよう!」

(石川、また新たな野望に燃える目をしている)

「「またかよ!」」

(千葉と富山、同時にツッコミを入れるが、どこか楽しそう)

夜空には満天の星が輝き、焚き火を囲みながら3人は今日の思い出を語り合った。周りのキャンパーたちも加わって、即席の交流会が始まった。

「今度は僕たちも最初から参加させてくださいよ!」

「面白いキャンプですね!また一緒にやりましょう!」

(大学生たちや他のキャンパーたちも輪に加わる)

石川は満足そうに焚き火を見つめながらつぶやいた。

「これがグレートなキャンプってやつだな」

千葉も薪を焚べながら答える。

「うん、どんなキャンプも一緒にやれば楽しくなる!」

富山は温かいココアを飲みながら、小さく笑った。

「まあ…たまには…こんなのも…悪くないかも」

(富山、照れくさそうに頬を赤らめる)

こうして、第79回目のグレートなキャンプは、予想外の感動で幕を閉じた。スクワット最高回数でギネス記録は取れなかったけれど、みんなの心に残る最高の記録を作ることができたのだった。

翌朝、テントを畳みながら石川が言った。

「次は『キャンプ場で一番高いジェンガタワー』に挑戦だ!」

「「もう次の企画考えてるし…」」

(千葉と富山、苦笑いしながらも期待の表情)

そして3人は、また新たなグレートなキャンプを求めて、次の目的地へと車を走らせていくのだった。

(完)

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