第2話

「おい、渡瀬、例の事件どう思うよ?」

「白井、たぶんあれだぜ?例の手紙を書くと死ぬとかいうやつ。」

「おいおい、呪いの手紙か?そんなの信じてるのか?」

「だってそれしかねえだろ?いきなり路上で”心臓の悪化”で倒れるなんてふつうねえよ。そんなのまかり通ったらおれは生活できねえ。」

「いやいや、おれは吹き矢じゃねえかと思ってる。フッと吹けば殺せるだろ?」

「毒はそんなはやくねえよ。」

「吹き矢って刺されば死ぬんじゃねえのか?」

「そんなことねえがそんなかもしれねえ。とりあえずだ。呪いのてがみだよ、ありゃあ。」


ふたりは見守り屋。

いまでいうところの警察である。


時代は江戸時代末期。

社会には特殊な紙が流行った。


未来を予見できる紙と言われたが、それは死神の渡り紙。

便所のちりよかは役に立つ紙だ。


殺しの専売にはもってこい。


きみにもしこの紙あればなにを書く?

”運命”でも書くか?

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死神の渡り紙 くろみつ @kuromitu77

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