気が付いたらイヤホンが4個になっていた。

二八 鯉市(にはち りいち)

え、いつの間にか4個もある。

 気が付いたらイヤホンが4個あった。

 ちょっとややこしいので最初に整理すると、正確にはイヤホン3つにヘッドフォン1つである。

 便宜上、イヤホン4個と書かせてもらったが、そこはご了承いただきたい。


 まあとにかく4個あるのだ。

 「そういえば、なんだかんだイヤホン増えたな。何個あるんだ? ひいふうみ……4個目!?」

という感じだった。


 多分、何かしら用途ごとに道具を揃えたい人間のサガなのだろうと思う。

 ちょっと話は逸れるが、局地的にしか使わないアイシャドウやリップが増えていく要因と似ている気がする。


 今回は折角なので、それぞれを紹介していこうと思う。


 1個目。有線イヤホン(マイク付き)。

 これは完全に「通話」に特化したイヤホンである。なんなら使う機会は一番少ないまである。

 遠距離の友人と通話する時などに使うものだが、2カ月に1回使うか使わないかだ。

 確か昔、すごく急いで通話をしなければならない機会があった時に、2000円ぐらいで買った奴だったと思う。

 アニメで言うと、1クールに1回登場して役目を果たして去って行くキャラクターである。


 2個目。有線ヘッドフォン。

 これは推しの配信や音楽を聞く為のヘッドフォンである。

 先程紹介した有線イヤホンは端子がUSB-Cで、私のデスクトップPCには刺さらない。そのため、シンプルに有線ヘッドフォンが欲しくて買ったのだと記憶している。

 別にめちゃくちゃ音質にこだわるわけの人間ではないので確か3000円ぐらいだったと思うが、

「これでいいじゃんね」

という音質である。


 3個目。無線イヤホン。

 外出専用の無線イヤホンである。「なんか無線イヤホン欲しいんだよな」ぐらいの動機で買った気がする。

 やっぱりそんなに音質にこだわりはなく、むしろ「外で落として無くしても泣かなくていいぐらいの価格がいい」という条件で探したため、4000円ぐらいだった気がする。

 やはり、そこそこ込み合った電車で絡まったコードの心配をしなくてもよく、目的地に着いたら鞄に放り込むだけの無線イヤホンは便利である。

 余談だが、以前書いたエッセイの「いっつも外出してからプレイリストの更新を思い出すんだよね」の時にちょっと記述したイヤホンはこれである。


 4個目。無線イヤホン(オープンイヤー)

 最も最近買ったものである。

 何故だか近頃、自宅でのゲーム熱が中々収まらず、わりと長時間ゲームをするようになっていたのだが。

 どうも私は、長時間耳を塞ぎすぎるのが体調にあまりよくないらしく、

「なんか……耳を塞ぎ過ぎないイヤホンが欲しいなぁ」

 と思っていたところだったのだ。

 で、まぁ近頃、長らく書いていた小説が私の中で無事に完結した事もあり、

「えーいっ、ご褒美!」

と思って、1万円ぐらいのちょっとイイ奴を買ったのである。

 いいお値段のものだけあって、ちょっと低音がイイような気がする。あんまり詳しくないから分かんないけど。

 なお、これは外出には絶対使わない。落として無くすと泣く値段だからである。


 と、こうして記述してみると、やっぱり私は目的別にその都度道具が増えていくタイプの人間なんだなぁ……と、しみじみする。

 とはいえ。

 4つのイヤホンの使い道をざっと見てみると、正直これ以上増える要素はないような気もする。

 いや、あるのか?

 人生とは何が起こるか分からない。ちょっと考えてみよう。

 例えば……。


・突然ランニングに目覚めたので、防塵・防水のイヤホンが欲しくなる。

・片頭痛がとんでもなく悪化したので、はちゃめちゃ軽量の羽根みたいに軽いヘッドフォンが欲しくなる。

・むしろ私自身がゲーム配信を始めることにしたので、暗闇で光るゴツゴツのヘッドセットが欲しくなった。

・DJになろうと思い立ち、はちゃめちゃ音質のいいヘッドフォンでブイブイ言わせることにした。


 ……いや、こうして考えてみると、「もうここで打ち止め」と思っていても、イヤホンというのは意外と今後も増えそうである。


 ちなみに現段階で、

「今すぐ欲しいワケじゃないけど若干気になってるんだよなぁ、使う目的はないけど……」

というイヤホンがある。

 それは。


 イヤーカフ型のイヤホンである。


 理由は、なんか見た目がカッコよさそうだからである。


<終>

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気が付いたらイヤホンが4個になっていた。 二八 鯉市(にはち りいち) @mentanpin-ippatutsumo

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