終わらぬ悪夢か、終わりに見る夢か

古き良き日本の夏。
蚊帳が吊られた座敷の話。
翡翠の蝉に注がれた主人公の視点が、読者のそれと重なったかと思うと、ゆるり、とそれはずれていく。うたた寝の夢のように。
夢見ていたのは自分なのか、夢見られたのが自分なのか、
意識の境界が冒されていく怪異譚。

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空蝉

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