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@vaka
わからない
世の中、わからないことだらけだよね。少なくとも僕はそう思う。インターネットやら本やらで調べられる便利な世の中だって、大人は言う。でも僕はね、どうしてもそうは思えないんだ。
だってさ、この階段を上った先が、真っ暗で、なーんにも見えないんだよ。
この先どうなるの?いったいどこに向かうの?考えても何もわからない。日々やることが勉強かゲームくらいしかない僕は、将来に不信感が積もるばかりだ。
って独白してみたけど、結局は僕は現実から逃げたいだけなのだろう。
僕は、気づいたら目の前にあった校門を見てため息を吐いた。独りボッチの登校が板につきすぎて歩いた記憶すらない。
俯き加減に校門をくぐる。なるべく誰にも声を掛けられないように足早に下駄箱へ向かう。
見ると、グラウンドの脇に生えている梅が散りかけている。あぁ、日々の登校の唯一の彩りが枯れてしまう。僕は少し切なくなった。
僕は重い足を引き摺り何とかして教室へ辿り着いた。荷物を机の上に置く。そして、本を取り出しそれを読むふりをした。
そうして僕は朝をやり過ごし授業へと入った。授業は、別に難しくない。なんなら初歩的で簡単な部類だ。だが、その内容は右から左へと僕の頭を通り過ぎて行く。なんとかノートだけは取りつつ後で復習できるようにしておく。どうせ、やらないんだろうな、と思いつつ。
そして、昼休みが訪れた。僕にとって、この昼休みの時間が一番苦痛だ。
がちゃんがちゃんと音を立ててみんなが机をくっつける。男子は一つに、女子はいくつかのグループに分かれてくっついている。そして、僕も男子の机の島の一部となっていた。
そこで為されるのは、どうでもいい取り留めのない会話。別に、会話をするのが嫌なわけじゃない。僕もそれなりに会話に参加できてると思うし、自然だと思う。
僕が嫌なのは人付き合いとかじゃなくて、僕自身だ。何を言っているのかわからないと思う。僕もわからない。
同級生との会話は楽しい。ただ、それで楽しくなっている僕のことが、ふとした瞬間嫌いになるのだ。それは、風呂に入っているときとか、床に着いたときなど、様々だ。
僕自身も、僕のどこが嫌いなのか明確にはわからない。わからない。わからない。わからない。あぁ、全部わからない。誰か教えてくれないかなぁ。
……ほんとはさ、わかってたんだと思う。僕は、自分自身が嫌いなんかじゃない。そう思って、一歩高みにいると思い込んでる自分に酔ってたんだよ。普通にみんなと仲良くすればいいのに、一歩距離を置くし、逆張って帰宅部だし。
「世の中、わからないことだらけだよね」とか言ってる僕が一番なにもわかってない。そう考えると、やっぱ、僕は僕のことが大嫌いだ。
ま、こんな風に内省したところでなーんにも変わんないんだけどね。毎日登校して、梅が散って、また咲いてさ。
? @vaka
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