(読み切り)勇者マツタケの冒険

最弱の味噌汁

本編

今は昔、大体⌊ 10!/3628800・100⌋1000年ぐらい前、或るところに、“キノコ村”なる村が存在していました。

住人はキノコたちで、主食はキノコであった。

村は静かな秋の日を迎えていた。

しかし突然、その平穏を打ち壊す知らせが届く。

「村長の唯一の後継、トリュフ姫が誘拐され、あのオニナラ塔に監禁された!」

村の中央で放送される音声に、住民たちがざわめき立った。


救世主を求める声。


「誰か勇気あるキノコはいないのか!」


「...私が、行く!」


誰かが...云った。


「「「「おおお、誰だ!」」」」


自称勇者のマツタケであった。

彼は安っぽいリュックを背負い、地図を手に持ちながら村人たちの前に現れた。

「みんな、任せろ!方位記号なら自信しかないんだ」と胸を張るが、村人たちは冷めた目で彼を見た。


「「「「「「その地図、逆さだよ。」」」」」」


勇者マツタケは慌てて地図の向きを正すと、胡散臭い仲間たちとともに意気揚々と出発した。


しかし道中、マツタケ一行は第一関門に到着した。


湿度100%の、マウしンれム(インドの村の名前)地方である。

キノコたちにとって湿度は成長の鍵だが、ここは異様に空気が重い。


突然、仲間のエノキ博士が分厚い参考書を取り出し、成長速度を解説し始める。


“v = dx/dt”


ここで、“v”は成長速度、“x”は成長距離、“t”は時間。


博士がキメる。

「湿度が飽和すると、成長速度は極大化するんだ!」


湿気の影響でその辺に生えているカエンタケどもが巨大化し、道が塞がれてしまったのである。


しかし博士は1pm(ピコメートル)も動揺せず、すかさずフォッグ装置を取り出し、湿度を均一化して道を確保した。


「物理が解決のカギなのだよ!」


しばし歩くこと30分。


次に現れたのは巨大な虫たち。

特に“ペルビアンジャイアントセンチピード(世界最大のムカデ)”がでかい。

これにはマツタケも青ざめた。


「「「どうする、これ…」」」と戸惑う皆。


そうすると、仲間の一人である学者アンドンタケ(臭いキノコ)が対策を提案する。


「臭気の拡散は拡散方程式で管理できる!」と彼は言い、公式を見せる。


“∂c/∂t = D ∇²c”


ここで、“c”は臭気濃度、“t”は時間、“D”は拡散係数。


アンドンタケはこの公式を応用して虫を撃退。

一目散に逃げていく虫ども。

「拡散と悪臭の力、侮るなよ!」


そして数時間後。


ついにトリュフ姫が囚われていると言われる塔へ辿り着く。

塔の高さを見た頼もしい仲間の一人、エリンギ修士はエネルギー保存則を使って登頂方法を計算しようと目論む。


“E_p = mgh”


ここで、“E_p”は位置エネルギー、“m”は質量、“g”は重力加速度、“h”は高さ。


エリンギ博士は、なおほざく。

「最小のエネルギーで登るには、斜面の摩擦係数を計算しないと。」


というわけで皆でそろばん持って登りながら効率的な登り方を計画しようとしたが、その前に塔の頂上へと到達してしまった。


「科学のロマンが...」


嘆く声を上げていたのは彼一人だけであった。


そしてマツタケ一行は、ついに姫の幽閉されたる塔の扉を開き、中に入る!


「「「姫‼」」」


中に入ると...


そこにいたのはトリュフ姫ではなく、ただのシイタケがぽつんと立っていた。

彼は頭をかきながらほざいた。


「えーっと…なんか期待してた?ごめん、僕ここでトリュフ食べながらうたた寝してただけなんだ。」


マツタケはその瞬間、全身から力が抜けた。

そして、仲間たちと顔を見合わせ、大笑い。


「まぁ、楽しかったからいいか!」と肩を組んでキノコ村に帰っていった。


その後、情報伝達アンパサンド通報係のタマゴテングタケ君はこっぴどく叱られましたとさ。


おーしまい‼


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癖強めな短編を書いてみました。

面白いかな...

理系アレルギーの人はじんましんが出ちゃうかもですね...



トリュフ姫.............


結局、姫問題はどうなったんでしょうね。


......


最後のシイタケが食べてたもの、なんだっけ。

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