5話目 最終回 百鬼夜行の前触れ
秋葉原にて、集団で飛んでるタクマ君を目の前に、ブタさんコール。
なんだか楽しくなってきたのか、サンゾウは手拍子を始めた。
上空にて、まさるは困惑。
「な、なんだかスゴいね・・・」
「まさか、サンゾウが今まで無事だったのは、白い衣と錫杖持っててくれたからっ?」
着陸して拍手で迎えられる面々。
ガッパさんは自分の空想事情に感動してちょっと泣いている。
和柄の入ったロングTシャツに、いい色のジーンズ姿のタクマ君。
彼の登場は決まっていたが、秋葉原のオタクたちの士気は断然変わった。
「痛いっ」と頭を抱えるサル。
皆がはっとした。
「妖気がありますっ。皆さん、さがってっ」
サンゾウの颯爽とした言葉に、皆が空間を空けた。
「来るっ」
教鞭を両手に持って、かまえるサル。
「待って、退治屋の伝承では、ここでいきなり攻撃に出るから百鬼夜行が始まるんですっ」
「「何だってっ??」」
「まことしやかだから、私くらいしか知らないかも・・・姫に伝承されてきたやつで」
「「どうしたらいいのっ?」」
「とりあえず、未然に防げるなら防ぎたいので、皆さん、どうか協力して下さいっ」
「「どうしたらいいのっ?」」
「鎮魂の言の葉を散らすんですっ」
まさるが「来るっ」と叫ぶ。
そこに、女の頭のおたまじゃくしみたいなのが現れる。
「偵察部っ」
「おやおや・・・お前さんが、サンゾウかえ?」
「そうですけど、なんで名前をご存じで?」
「うんぬんかんぬんははぶこうねぇ・・・百鬼夜行の前触れ役だが、どうでる?」
「どうか皆さん、協力をっ」
サンゾウが背後にいるオタクさんたちに掛け合う。
皆が息を呑み、「おうっ」と返事をする。
「どうするんだ・・・?」
かまえている横に並んだ仲間たちを確認して、サンゾウは妖に叫んだ。
「どうか、百鬼夜行、しないで、たもーーーっ」
オタクたちが意を察し、続く。
「「どうか、百鬼夜行、しないで、たもーーーっ」」
妖が困り出す。
「んん~・・・分かったよ、そんな風に言うんだったら、しないよ」
サンゾウが「マジですか~?」と確認を取る。
「マジだ、マジだ、そもそもキンカクとギンカクが仕組んだことだ」と妖は透けて消えた。
まさるが、頭痛が退いた、とぼやく。
安心した面々はため息を吐いて、背後にいる協力者たちに礼を言った。
皆が、「嘘だったらどうしよう?」と困っている。
「西遊記的に言えば、キンカクとギンカクってボスキャラだよね?」
あっ、と声を上げるガッパさん。
「金閣寺と銀閣寺じゃねっ!?」
タクマ君が、「なんか聞いたことあるぅ」と言い出す。
「何か関係しているのでしょうか?」と真剣な顔のサンゾウ。
話し合いにより、百鬼夜行が訪れるのかどうか分からない状態に入った、と報道。
それを知ったオタクたちが、サンゾウたちに相談報告をする。
「金閣寺か銀閣寺が、どっちかが東京にあるらしい、っす」
サンゾウは意気込んだ。
「確認に行きましょうっ」
サンゾウと三人のウィーザードボード乗りたちは、秋葉原から旅立った。
秋葉原のオタクたちは、その背中を神妙に見送った。
話に聞いていたことを書いた。
ここで、記述を終わる。
この記述の題名を、『再勇記~僕たちはサンゾウを護りたい~』とする。
そのあとどうなったのか、自分は知らない。
それから言っておく。
重要だからこめじるしを入れておく。
この記述が不理解者の目に触れた時のためだ。
※この記述はファンタジーです。
書記 あきばはらの住人
―――――――――――――
僕たちはサンゾウを護りたい 猫姫花 @nekoheme_hana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます