異世界転生してみたい?

艸邑

異世界転生してみたい?

ガタンッ

「うわっ、やっべー。寝てたわー」

「おはよ〜、やっと起きた?」

「課題してたのに、いつのまにか夢の中。

 これが睡魔ってやつか、恐るべし」

「何言ってんのw」

「とにかく睡魔ってやつが強すぎるんだよ。

 課題とセットで出てくるなんて学生ごろしすぎる。」

「そんなこと言ってないで課題やったら?」

「それはそうだなぁ〜

 てか、なんの本を読んでんの?」

「これ?異世界転生のラノベ。」

「最近、流行ってるよね。面白いの?」

「中々、面白いよ」

「読んでたら、異世界に転生してみたいとか思ったりしない?」

「うーん…ないことはないけど、異世界で活躍できるかどうかは怪しいよね。

 現実世界は教室の隅にいるようなモブが異世界行った途端、急に勇者パーティーで大活躍するなんてあり得るのか?とは思う。」

「確かに〜、現実的ではあるよね。」

「勇者パーティーも大変よ。毎日魔物を狩るという肉体労働をして、汗水垂らして金銭や経験値を稼ぎ、生計を立てる。その上、魔物が強かったら自分の命が危うくなるため、保険とか入っておかないと安心して働けないよね。」

「勇者パーティーを労働と捉えるなんて現実的すぎるw」

「魔王とか冷静に考えてみたら戦えるか定かではないよね。自分の数倍の巨大で魔法とかガンガン使ってくるって面と向かえる自信はないよ。」

「うわぁ〜、そんな風に言われると異世界転生あんまりしたくないかも。」

「王族系に転生しても結構大変で…

 まずは、マナー。その王国独自のマナーとか出てきたら初見ごろし確定。そこから、詰められたりイジメられたりし始めるからね。それを乗り越えても、ドロドロした関係が続いて心労絶えないと思うと厳しいよね。」


こんなにネガティヴなことがスラスラと出てきて

よく読んでいるなと感心してきた。


「異世界へ転生したくないけど読むのは好きなんだ。」

「他人事だから、読む分には楽しいよ。

 でも、どっちかと言うと異世界には行かなくていいかなぁ。現実が一番居心地良さそうだもん。」


ガラッ!!

急に扉の開く音が響いた。

「いつまでいるの貴方たち!もう閉めるよ!」

同じ学年の先生が見回りにやって来た。


「エルフで寿命が人より長いからってダラダラしない!時間なんだからサッサと帰る!!」

「やべ!課題、机にばら撒いたまんまだ」

「俺は本だけだから、先に出てるわ。お先〜」

「ちょっと待てって!!」

「貴方が最後ね。後、2分で出ないと石にするわよ。」

ゴーゴン先生のヘビが睨む。

机の課題を適当に鞄に詰め込んだ。

「1分で支度できたじゃない。石化は無しね。」

先生がイタズラに笑う。

「石化は勘弁してください。

ゴーゴン先生、さよなら!!」

「気をつけて帰るのよ!」


手を振る先生を遠くで感じながら学校をあとにした。

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異世界転生してみたい? 艸邑 @sorewanaiyo06

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