聞けば聞くほど、変わった物件である。
三角第一マンション。というくらいなので、三角物件といえばいいのか、
三角形の建物を想像してしまったのは私だけだろうか。
五階建て。都内のマンションと考えれば、大きい方だと思う。
ただ、このマンションには……
エレベーターがない。
そして、ここの4階に住んでいらっしゃる方は、トータルファット0・1トンの方だ。
その方の膝や腰が心配というか……いつか転げ落ちてくるのではないかと思うと気が気でなくなる。
そのほかの住民も曲者揃いだ。
しかし、意外と長い年月をこのマンションで過ごしているため、実は良い物件なのかもしれない。
そんな中、事件が起きる。
悲しい殺人事件だ。
さて、犯人とその動機は……?
とにかく設定が面白くて笑かしてもらいましたな。
笑っていい物語だったのかはわからないけれども……。
ここに住みたいとは絶対思わないけど、ちょっと覗いてみたい気持ちになります。
ぜひ、ご一読を。
ラストのオチまで読み、「なんと!」と頬が緩みました。
メゾン三角の通称を持つマンション。そこに住む住人はアル中やパチンコ狂いなど問題を抱えた者たちが住み、互いに激しく迷惑を掛け合っていた。
嫌悪や憎悪を通り越して「殺意」すら抱き合っていた住人たち。まさに一触即発。いつ事件が起こってもおかしくない「臨界点」ギリギリな状況が生まれていた。
こんな緊迫感の中で、最終的にどんな「爆発」が起こるのか。読者は描かれている「
性質」や「事情」に注目し、彼らの人生がどう絡んでいくのか、とページをめくることに。
そして起こった事実と、その先にあった動機。
「え? そっち?」と、思いもよらぬラストに、きっと読者は度胆を抜かれることでしょう。