凶暴で手に負えない子供だったマコトは、周りから人間のクズと呼ばれている。
しかし、語り手であるタケシは、マコトとキャッチボールをしたときから、彼を友達だと思っていた。
ある日、銭湯でマコトと会った時、彼の身体がアザだらけなのを見て、マコトの家庭事情を思い出してしまう……。
目に見えない家族内の問題を浮き彫りにさせながらも、この上なく愛おしい友情の物語に仕上がっている本作。
短編とは思えないほどの感動をいただきました。
マコトの境遇……とても辛いですが、その分タケシとの思い出がすごく輝いております。
そして、物語だからこそ果たせる結末……そこに、作者様の優しい心を感じました。
是非とも、皆様に読んでいただきたい作品です!
これぞ「少年時代」な雰囲気。男同士の「友情」ならではなテーマがとても心に響きました。
小学生のタケシは、「とあるきっかけ」で同じ学校のマコトと親しくなる。
マコトはしょっちゅう乱暴を働くとされ、周囲からは敬遠されている存在だった。
でも、タケシとマコトは銭湯で鉢合わせになり、それからは関係性が変化していく。
以後は二人でキャッチボールをするなど楽しい時間を過ごすようになっていきます。
小学生の男子たちの友情物語、というテーマがまた良いです。「はぐれ者」な少年とふとしたことで親しくなる。草薙剛主演の映画「SABAKAN」とか、言わずものがなのスティーヴン・キングの名作「スタンド・バイ・ミー」など、「少年の友情物語」には圧倒的に名作が多い。
本作も、まさにそんなテーマが綺麗に描き出され、同時にノスタルジックな雰囲気も味わわせてくれました。
ラストの締めくくりもとても綺麗。やはり、この二人と言えばそれだよな、と。同時にタイトルも回収してくれるのが素晴らしかったです。