第8話 再び、茎わかめを食す
大学へ戻ってからも、遥斗は事件について何も語らなかった。
新聞やテレビでも、大きな報道はなかった。ただ一行――「食品サークルでの事故」とだけ、静かに記されていた。
だが、大学の掲示板には、ひとつだけ新しいスレッドが立っていた。
《幻の茎わかめ──
本物は、確かに存在する。
だが、それを味わう覚悟はあるか》
投稿者:名無しのわかめ愛好家
本文は、ただ一言。
「うまい。それだけでいい」
そのスレッドに返信はなかった。けれど、夜遅くまで閲覧数はじわじわと伸びていた。
誰が書いたかはわからない。だが、たぶん、あれは――。
本物を知ってしまった人間の、最後のひと噛みだった。
茎わかめ殺人事件 泡依 ひかり @sana_nan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ゲーム雑記/涼格朱銀
★36 エッセイ・ノンフィクション 連載中 164話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます