僕は、年始で仕事が休みなので、何か新しくゲームを買おうと思い、steamのストアページを徘徊してました。
しかし、ひとつのゲームのレビュー欄で、凄すぎるレビューを見つけたのでそれどころじゃなくなりました。Dear Esther っていうゲームです。書いた人は涼格先生でした。
大抵のsteamのレビューなんていうものは、淡々とした感じを装って、好みと事実をまぜこぜにしているものか、あるいは世界観のキャラクターに成りきってサブいことを書いているかだと思うのですが、涼格先生のレビューは違いました。まず、絶対に作家の方だと確信しました。steamのユーザー名をGoogleで検索にかけて、カクヨムが出てきたことに安堵したぐらいです。もし、リョウカクさんが筆を持ったことのない方だったら、僕は自分の筆を折りたくなると思ったぐらいだからです。
涼格先生が書いているレビューはすべて拝見しましたが、その12個のレビューすべてが面白かった。まず最初に、その文体です。僕は英文学が好きなんですけど、原文じゃ読めないから、翻訳者さんが訳したのを読んでいます。柴田元幸さんのサリンジャーは最高なんです(知ってるよと思われるかもしれませんが)。それで、僕はその文体に憧れがありました。どこがっていうのは、難しいので言わないでおきます。涼格先生の文体は、それに似ていたんです。つまり、最高でした。だって、僕はそれの真似ばかりしては、どうしても気持ち悪くなっちゃう、ということを繰り返していたので。たぶん僕にああいう文体を書く能力がないんです(おそらく僕の性格が悪すぎるから)。涼格先生のレビューを見て、僕は憧れを捨てる決心がつきました。これからは自分の文体で書こうと思ったんです。自分の中でなんで涼格先生のゲームレビューが面白いのか勝手に推測してみたのですが、ただの推測ですので次の改行まで無視してください。おそらくですが、涼格先生のゲーム愛ゆえかなというのが第一です。フィクションはノンフィクションから生じるもの(不可分)だと思いますが、リョウカク先生のゲーム愛は本物で、だからこそ最も自然で身体に合っている筆運びになられているのかなと感じました。
そして次に文章の構成です。おそらく、書きたい事(ワンセンテンスごとの結論)が決まっているので、その前の、最初の一文字目からがすべて仕事を果たせているのだとおもいます。
カクヨムのフォローさせて頂きました。サリンジャーはもう死んでいますが、涼格先生はまだご存命だとわかったので、これはチャンス! とおもい、長文送らせて頂きました。これは僕からのファンレターなので、ちょっと長くなっちゃいました。そして欲張りな僕は、涼格先生からの返信さえ期待してしまっているのです! 顔の面が生まれつき厚いんです。このメッセージに対して返信、というシステムがあるのかわからないので、僕が何か作品を投稿して、そこにレビューという形でご返信頂けたら、きっと頭が沸騰すると思います。
本当に大好きです!ファンです!
追記
涼格先生のホームページに、Dear Estherの字幕を求め、訪ねてみました。そこで、掌編やその他小説についてのあれこれが書かれており、しっかりと研究されている方(才能だけじゃなくて、“ちゃんと”している方)なんだという事がわかって、もっと好きになりました。本当に好きです。