「良い子」過ぎて損をしてしまった魔法使い。彼女には世界を救えるか?

 主人公が本当に「良い子」な感じで、それがとにかく応援したくなります。

 主人公のウェネーフィカは魔法使いを目指す少女。学園の中でもトップの実力を持ちながら、優しすぎる性格を持つがゆえに周りを助けることに力を注ぎ過ぎてしまいます。
 その結果、自分の試験の成績はガタガタに。

 学園は卒業できるものの、ウェネーフィカは合格者の中では最低ランクの「赤い帽子」を与えられることに。

 けれど、そんな中でウェネーフィカは不思議な声を聞くことになります。声の主は「ルーシア」という、かつて闇の魔王を封印したという伝説の魔法使い。

 これから再び闇の魔王が動き出そうとしているため、ウェネーフィカにそれを倒す手伝いをして欲しいと言われます。

 ここからどんどん物語が動いていくことに。
 才能には恵まれているけれど、性格ゆえに損も多く、不遇な立場に置かれるウェネーフィカ。そんな彼女がその心持ちと本来の実力ゆえに、少しずつ周りの人々に認められ、支えられるようになっていく。

 この過程が本当に爽快です。「世界名作劇場」のようなほのぼのとあたたかい雰囲気も味わえるし、魔法でのバトルの時には冷静に状況を分析し、的確に難所を切り抜けるという緊迫感も見せてくれる。

 その後に登場する「強烈な魅力を持った仲間たち」と、闇の魔王に関連して発生する不穏な事件。
 壮大なストーリーと、どんどん成長していく主人公。まさに「冒険」している感じをしっかりと味わえるワクワクな物語です。

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