第4話 定義は細かく縛りません


 募集要項のなかにあった、「これすごいトラップだな」と思ったのが、この『 “学園”の定義は細かく縛りません。』でした。


 学校、学習塾、学園都市。学園に片足突っこんでたらオッケー。

 ただし、ドラマは青春期の子達にしてね‼


 ――わからんて‼

 この書き方では、スタートダッシュの方向間違うって!


 色んなバリエーションを見たいというのはあるでしょう。

 そこはわかります。

 でも、後だしディスコードで「青春頂戴」するんなら、最初から表題にいれて縛って欲しかった。


 本当に、書き手の立場からしたら、一番のミステリは編集部さんの頭の中にある『本音』です。


 こういうのが欲しいというのが社の戦略的にあるんだったら、ハッキリバッキリ提示していただきたい。

 皆さん、そう思いません?


 自分の書きたい作品と合ってない! そんな縛り方されたら出せない!

 アレの類似品がほしいんだろ?

 そんなことばっかりしてたら市場には同じような作品ばかりになって、先細るだろうが!


 そういう場合は、出すべき場所ではないということです。

 売れ筋の作品を守るために、補強するレンガがほしいのです。

 そのレンガとして相応しい「形」持ったうえで、他に類を見ない強靭さや色、または素材であることを示す。


 たかだか一作、たかだか十万字の小説一本くらい、その縛りの内で書けなくて、どうしてプロを志せるものでしょうか。


 私は、踏み台になりたい。

 強靭な踏み台足り得る、レンガの一つを生み出したい。


 そういう思いで、この物語を書きました。

 書きたいものも書きます。

 でも、どんな場所でも耐えうる強さと器用さも身に着けたい。


 何を求められているのか、わからないから知りに行く。

 それがきっと、コンテストに挑む醍醐味なのだと思います。


 まかりまちがっても、読者に差し出す誠意の中に、汚物を詰めた手での握手を混ぜてはならないのです。


『琥珀~』は7月20日に完結させます。

 その後、恋愛小説大賞のアオハル用に書いた一作を出します。


 求められた要件の中に、一筋の濁りもない誠意を込めて、エントリーしたいと思います。


 言葉を公に、世に出すのならば、相応の覚悟をもって取り組みたいと。

 そう考えています。



 皆様、対戦よろしくお願いいたします。

 最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。


                             (了)

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最大のミステリは編集部の頭の中。 珠邑ミト @mitotamamura

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