第2話 四天厄災獣

さて、僕は今この都市にある五つあるダンジョンの1つである【土の迷宮】に来ている。なお、ミレイナを撒いてから来た


ミレイナまじでしつこかった。………はぁ


「お!すげー、これがゴーレムってやつか」


僕の目の前には僕の身長の四倍くらいある土でできたゴーレム。初めて見たゴーレムに興奮を抑えられない


とりあえず攻撃できないように全身を固定させてから浮遊して観察をする


このゴーレムは胸にある魔石が核のようだ。なんか赤いビー玉にしか見えないな

強化した体で思いっきりゴーレムの魔石を殴るとゴーレムが砕けると同時に粒子となって霧散する

そしてオレンジ色の3cmほどの魔石が落ちた


街で買った冒険者図鑑曰く、落ちた魔石の色は倒した魔物の魔法属性を、大きさは魔物の強さを表しているらしい

3~7cmほどの魔石は銅貨5枚から9枚で買い取られる

基本的に街で使われている魔道具の燃料として魔石の魔力が使われているからだそうだ



それからしばらくコツコツと倒していく単純作業をこなしていく

僕は何気にこういう地道にやっていくのは好きだ。だからプラモデルとかを買った時はコツコツと組み上げてその過程を楽しむのもひとつの趣味だ




その後、1時間足らずで十階層に到達した

図鑑曰く、迷宮は基本的に十階層ごとにボス部屋が存在していて、ボスを倒すとチェックポイントができて次からはチェックポイントから始められるようになっている。なお、ボス討伐後は次の階層へと進むための魔法陣と地上への帰還用の魔法陣が現れる。

帰還用の魔法陣は五階層ごとのセーフルームにある。実際に見たけど水色に光っていた


【土の迷宮】の十階層にいる第一ボスはロックゴーレムという種類のゴーレムで、通常のゴーレムよりも少し硬く、関節が弱点のゴーレムである


まあ、重力を使った新技の試し打ちをしたところ一撃で倒せてしまったが……


疑似ブラックホールを圧縮したものを斬撃のように飛ばしたところ、やたら威力の高い飛ぶ斬撃が完成した

魔石の大きさは6cmちょいあった


魔石を売ってお金にするために一度帰還することにした



「な、なんですかこの馬鹿げた量は……」

ギルドの受付には僕が手に入れた大量の魔石が山になっている

ふむ、さすがに多すぎたか


ちなみに受付嬢は違う人になってた。前の受付嬢を前に見かけたときは吹き飛ばした右腕あった

多分上位回復薬でも飲んだんだろう


持ってる魔石の半分とロックゴーレムの魔石を売ったら銀貨6枚と大銅貨7枚、日本円換算だと6万7000円になる

残った魔石は全部まとめて圧縮して見たのだが、とてつもない魔力密度の魔石が完成してしまった。なんかあった時のために魔力を込めてマーキングしたから問題は無いだろう





――――――――なんて思っていた時期が僕にもありました


結論から言えば盗まれちゃった☆

しかも盗んだ奴の移動速度がすごい速い

走れば間に合うか?とも思ったが、重力強化を使ったところで飛んだ方が速いし五歳児の体だから手足が短いし


というか手足が短いから重力を使った攻撃方法を考えてるんだよな。例えばロックゴーレムに使った技とか


ただまあ、魔力のマーキングのおかげで追跡できてるからのんびり追いかけることにするか……



~数分後~



まじかー

僕は今、【火の迷宮】に来ている

しかも盗んだやつはどんどん下へ下へと階層を進んでいる。しかもとてつもないスピードで、だ


【火の迷宮】は常に熱気があり、体力を削り続ける。気温は30度~35度なのでめちゃくちゃ暑そう


え?僕はどうなのって?

重力で冷気を纏って熱気を弾いているから快適である。はっきり言えばこの能力日本にいるときに欲しかった。そうすれば猛暑でも快適に買い物に行けるのに

紫外線とかも重力でなんとかできるからな


って、ん?なんか、とてつもない魔力が盗んだやつの近くに発生して消えた

・・・知ってる魔力なんだけど、まさか、ね?




「おーまいがー」

僕が到着するとそこには周囲が氷の世界になっていた。熱気は消え去り冷気を放ち、炎すらも氷となっていた。そんな場所に1人、見知った魔力を放つ女性がいた


「あら、こんばんは。それとももうおはよう、かしら?」

「なぜミレイナが居るんだ……」


その後なぜいるのかや、ギルドでのことを聞いたのだが………


「私がここにいてなにか問題があるのかしら」


と言われた。いや、問題はないけど……



「ねぇ」

「なにかしら」

「なんで前に僕を抱きしめたの?」

「私は私より強い人が好きなの。ただそれだけよ」

「ふーん。かわいいかわいいって言いながら僕の頬にすりすりしてたのに?」

「それは、その…………だ、だってかわいいは正義なのよ!」

「否定はしないけど本当にそれだけ?」

「貴方、本当に5歳児なの?」

「正真正銘の5歳児だよ。ただ、『普通の』ではないけどね」


そう、なにせ僕は転・生・者!だからね

そういえば身体を成長させる魔法とかないのかな……


「それじゃあその普通じゃない5歳児のバルクア君には私の手伝いをしてくれる?」

「え、やだ」

「即答ね………ここまで拒絶されるとお姉さんショック」

「はぁ、仕方ないか。何すればいいのか教えて」


そういうと、ミレイナは一度深呼吸をしてから言った


「【四天厄災獣してんやくさいじゅう】の一角にしての異名を持つドラゴンの討伐を手伝ってほしいの」

「おけ、いいよ」

「うん、そうよね。ダメ——って、いいの?貴方、死ぬかもしれないのよ?」

「いやそっちが手伝えって言ったんじゃん。それに、どうせ倒すんだ。それが早くなった、ただそれだけの事だし(それに倒さないと死んじゃうらしいからね。がんばろ)」

「どうせ倒すって、貴方まさか最初から倒すつもりだったの?」

「まあね。訳あって四体の【災厄の神獣】を倒すつもりだったから予定通りといえば予定通りではあるよ?だけど、僕はこの体だと動きずらいんだよね」

「災厄の神獣?」

「そうだよ。たぶんその【四天厄災獣してんやくさいじゅう】がそう。フェンリルに白虎、そして暗黒竜と爆炎竜、この四体が【災厄の神獣】だから、数も一致するし」


僕の話を聞いたミレイナはしばらく考え込む

その間に僕はステータスを確認する


***

【身体情報】

名前:バルクア

種族:人族[次期重力神]

階級:13

技能:〈超強化[Lv2]〉

魔法:〈生活魔法〉

【追加情報】

《生命:130/130 》 《魔力:測定不能》 《攻撃:65》 《防御:91》 《速度:145》

【神化情報】

権能:〈重力[81.0%]〉

神権:〈重力起源[19.0%]〉

※神化情報は神に連なる者にのみ閲覧可能です

[技能詳細]

〈超強化[Lv2]〉

セットリスト1:■■■■(※閲覧権限未所持)

セットリスト2:未設定(設定可能)

***


とりあえず【追加情報】は階級が上がれば一緒に上がるのがわかった。ゲームで言うところの基礎能力だろう。そして階級はレベル、技能はスキルと言ったところ


それに今まで僕が使えなかった技能〈超強化[Lv2]〉はこのセットリストが埋まってたから使えなかったらしい


設定ができるんだったら、視力を強化しよう



————ぽちぽち



設定完了!

設定してすぐに実感した

視力が強化されたと言うより、目そのものが強化された感じだ。動体視力や距離の測定などの目で見て脳で処理すること自体が強化されてる感じ、って言うのかな?


やろうと思えば物質の分子構造すら見れるんだけど…………

一周まわって怖くなってきた


あーこわいなー(棒)



さて、今気づいたのだが、僕って産まれてから一切魔力使ってないのだが


魔力を操ってみようと試行錯誤しているとミレイナが声をかけてきた


「私と〈第二の契約〉を結ぶつもりはないかしら?」

「〈第二の契約〉?」

「まずはそこからね」


――――とミレイナが契約について話し始めた。そして契約の説明をまとめるとこんな感じ


〜〜〜

〈第一の契約〉

契約の詳細から罰則の詳細まで全てを決める事が出来るが解除は神に連なる者にのみ解除可能である。基本的に使われることは無い

〈第二の契約〉

第一の契約とは違い、契約の解除は両者の同意の元であれば可能であり、ある程度融通が効く。ただし両者が対等でなければならない。主に商人が使っている

〈第三の契約〉

対象を縛り付ける契約。主に奴隷商人や闇ギルドなど、裏の住人が使っている

〜〜〜


要は〈第一の契約〉は神の名のもとに結ばれる盟約的なもので、〈第二の契約〉は契約書とかのやつで、〈第三の契約〉が奴隷とかに使うものであるということだ


こんなのがあったのか……


神様からもらった本には載ってなかったな

まあ、いっか


説明を終えたミレイナは契約の内容を話し始めた

「契約内容は【四天厄災獣してんさいじゅう】の一角、爆炎竜の討伐までの協力よ。見返りは契約期間中に私ができる限りの補助をするわ。変更したいところはあるかしら?」

「特にないが、契約って上書きとかできるのか?」

「できるわよ、一応…………」

「なんか、歯切れが悪いな。どうかした?」

「出来るといっても、出来るのは魂の存在の格、通称【存在格】が『超越者』を超えていないといけないわ」

「『超越者』?」


何それ、厨二心をくすぐるような名前は


「まずはそこからね。『超越者』っていうのはこの世界に存在する種族がなることのできる種族進化の最終進化先よ。現に、エルフの中にも『超越者』に届かなくとも『上位者』になっているのもいるの」

「階級制ってわけか。あ、もしかしてそのエルフの『上位者』ってハイエルフとかいうのか?」

「ええ、そうよ。『上位者』は知らないのにハイエルフは知ってるのね」

「話を続けてくれ」

「わかったわ。【存在格】は下から『下位者ノーマー』『上位者ハイラー』『超越者オーバーロード』『神格者ミソロジー』の順よ。『超越者オーバーロード』は最低でも5人はいるわ。でも『神格者ミソロジー』はいるのかすら分からないわ」

「つまり、『上位者』まではある程度行けるが、『超越者』より上は進化のための難易度が段違いに難しくなるってことか」

「そういうことよ、ちなみに私は『上位者ハイラー』よ」

「ほえー」


そりゃ強いわけだ


「全然驚かないのね」

「いや、強いのは知ってたし」

「それだけ?」

「それ以外に必要?」

「はぁ。なんかもう、はぁ」

「?」


どうやらお疲れのようだ


「種族名って聞いてもいいか?」

「いいわよ。私の種族名は『上位者ハイラー魔女ウィッチ』よ」

「ウィッチ………つまり魔女ってことか(魔女のコスプレじゃなくて魔女だったんだ……)」


そのあと、ちゃんと超高密度の魔石をしっかり回収してからギルドに戻った

なお、当初の目的を忘れかけていたのは内緒である



数日後、ギルド受付にて————


「ミレイナさん。本当にこのパーティ名でいいんですか?」

「それでいいわよ(とても疲れた声で)」

「わ、わかりました。ではこれよりをパーティ【厄災を殺すもの《カタストロフィ》】で登録します」


1人増えてるって?

僕とミレイナは気づいたのだ。タッグで組んでもヒーラーがいないということに………

なので、〈第二の契約〉をした後に、パーティから追放されたヒーラーを入れて3人になったのだ


ちなみに、【四天厄災獣】の討伐も手伝ってくれるとのこと

そんなこんなで前衛の僕、後衛のミレイナ、補助のシーランでパーティを組んだ


ということで、まずはこの結成したばかりのパーティでこの都市の迷宮全部を完全攻略することにした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

重力起源の最強少年〜異世界で念力と間違われてるけど楽しいのでOKです!〜 猫助 月 @alsanfps

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ