第一部・イレギュラーワールド

クフマイク

第一章・未確認生命体襲来!!

第壱話プロローグ

2019年2月12日金曜日

真っ暗な宇宙空間にひときわ目立つ鮮やかな青い星がある。――その名も《地球》だ。

そんな星に、黒鉄の飛行物体が、地球に接近していた。

―とある高校の教室―

そこではいつも通りの授業が行われている。

俺は、いつも通り授業を受け、ちゃんと寝ていた。それでも成績は平均くらい取れているから無問題。

「ふわぁ〜…」

俺は暇すぎてあくびをした。

「おい!!西條、寝るな!!」

俺は、あくびした瞬間に寝落ちしたらしい。

「すみませ〜ん。先生〜」

すると先生はため息をつき授業を続けた。

「眠くなるからしょうがないじゃん…」

俺は、ポツリと呟いた。

―同時刻、日本宇宙観測所捌丈島支部―

ここ、捌丈島(はちじょうじま)の住宅街から離れた場所にポツンとある研究所がある。その研究所は、この島に似合わない近未来な形をしていた。

「いやぁ〜、海はいいねぇ〜」

そう言いながら、潮風が当たる体を背伸びする男がいた。

観測副所長の真島悟である。

「ずっと椅子に座って、観測画面見るのも疲れるからな、海でリフレッシュできるのはここの研究所いいところだよなぁ…」

彼は腰に腕を当て、崖から見える海を見回した。

「それにしても、今日も穏やかな海。いつ見ても綺麗だ」

そう言いながら男は研究に戻っていった。

研究室に戻ると、観測員がせかせかと観測結果をとっていた。

するとそこに、観測所長の松村健三が、血の気が引いた顔で近づいてきた。

「大変だ!!宇宙観測機が異常な波形を観測したぞ!!」

彼は、よく意味がわからなかった。

「取り敢えず来てくれ!!」

彼の思考を察したのか、観測所長は彼を奥の部屋に招き入れた。

「これだ…」

「ッ!!これって…」

彼の額に、冷や汗が一筋通る。

「あぁ…間違えないだろうな」

波形測定機の波形グラフはギザギザが山の様に連なり、レシートの様な用紙これでもかという程、出し続けた。

「また奴らですか…」

彼がそう聞くと観測所長はコクリと頷く。

「多分な、お前は連邦連合議会にこの事を報告してくれ」

「わ、分かりました」

彼はせかせかと部屋を出て、受話器を取り議会の電話番号を押した。

――大都市に緊急放送が入る。

〘コチラは、国防庁からの放送です。先ほど、日本宇宙観測所からの報告で、未確認生命体が接近していると、情報が入りました。速やかに避難してください。繰り返します速やかに避難してください〙

そして、ヴーと警報音が日本中を包み込む。

《第一神川龍高校》

教室は、ザワザワと話し声がする。ただその声は、恐怖と焦りが混ざったざわつきだった。

俺は授業中ずっと寝てたので、このざわつきで目覚めた。

「な…なんだ〜」

目をこすりながらそう言う。

すると、先生が叫んだ。

「静かにしろ!!」

俺は、体を自然に先生に向けた。

それは生徒も同じである。

「訓練と同じだ!!これから、校内のマンホールに移動する。勝手な行動は控えろ!!」

すると、全員席から立ち上がり出席番号順、一列に並び始める。

「クラス委員長が、先導して前に出ろ!!」

俺ともう一人、女子の委員長が列の目の前に並ぶ。

「西條、加藤!!並び遅れは居ないだろうな!!」

そう、先生は聞く。

俺は。「はい、いません」と答える。

女子の方も「大丈夫です…」と小さく答える。

すると先生は俺達の先頭に立ち、先導しながらマンホールの方に移動していった。

この学校には、マンホールが2つある。

普通の下水用のマンホール。そして、避難入り口のマンホールである。

俺達は、《第一号避難入り口》と蓋に書いてあるマンホールに向かった。

―地下避難経路―

俺達は、蒸気機関高速移動トロッコで、出雲大社地下避難所まで移動した。

因みに避難所は、ブロックで分かれている。分け方は、地域ごとであるが、ずっと使われていなかったのか、旧県名で神奈川県ブロックと壁に書いてあった。

俺はトロッコで、肌寒い風を浴びていた。

「またここに来るとは…懐かしい感じだ」

主人公は目を瞑り記憶を辿った。

――約8年前、日本は東日本大震災影響で、集中復興期間に入っていた年だった。被災地の復興の兆しが見え、皆、希望に満ちた顔をしていた――はずだった。

そう、あの日までは。

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第一部・イレギュラーワールド クフマイク @kuhumaiku

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