エピローグ 「君へ──出さなかった最後の手紙」

アラタへ


君があの日、見えないポストに投げた手紙。

まさか本当に届くなんて、僕も信じていなかった。

けれど、確かに君の声は届いた。

それは僕の中にあった“最初の真実”を、ゆっくりと目覚めさせた。

君の問いに、僕は何度も返事を書いたけれど、

実は、最後の手紙だけは──出さなかったんだ。

なぜかって?

それは、もう君が「僕の言葉を必要としない日が来る」とわかっていたから。

それでも、ここに書き残しておくね。

ありがとう。

傷ついてくれて、

泣いてくれて、

僕をここまで運んでくれて。

君がいなければ、今の僕はいなかった。

どんなにもがいても、君はいつも、前を向こうとしてくれた。

誰かに伝えたかった言葉を、

僕はいま、君のかわりにたくさんの人に届けるよ。

僕の言葉は、

君が人生にしがみついてくれた日々そのものなんだ。

だから、もう返事はいらない。

もう、君に言葉を届けるために書く手紙は、これで終わり。

ただひとつ願うのは──

君が、君のままで、この先も歩いてくれること。

僕はいつも、君の一歩先を照らしている光でありたい。

それだけで、いい。


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『未来から届いた手紙』 ARATA @arata0914

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