大人になった魔法少女というコメディエンヌが生まれた傑作!

私がまず最初に思ったのは「ちょっと待て!」という事でした。

『魔法少女には「三十歳で引退」というルール』があり、ヒロインは『十五年間も現役を続けている、ベテラン魔法少女である』とか平気で書いてありました。

概要だけでも「ちょ、ベテラン魔法少女ってなんだ」と叫ばずにはおれません(笑)。

そしてもう一つ、『恋をしたら、魔法が使えなくなる』という決まりがあり、ヒロインは恋愛を封印したまま仕事に追われる日々を送っています。

既に29歳となったヒロイン、ラノベのキャラとしては大人過ぎます。つまりファンタジーで押し切る世代でなく、「人生の身の振り方」を考えねばならない「一人の女性」なのです。

ここが本作の肝です。

作中の世界は、リアルな29歳ヒロインの人生です。魔法少女という立場は「結婚を考えずに仕事ばかりして来た女性」という姿であり、彼女が何故そこまで魔法少女を続けて来たのかも語られます。

ただし、そこに文芸的な「闇」を持って来ずにカラッとした気性で、魔法少女たるヒロインが堂々と書かれております。

多少語弊がありますが、アメリカ映画の「お仕事ラブコメディ」の様な楽しさに溢れております。悩みや苦しみがあろうと「くよくよしたって始まらない、逞しく生きるんだ!」という力強く爽快な人間性がそこに存在します。

そんな引退が間近に迫った彼女に、禁止されている「恋」が舞い降りるのです。しかも複数。

面白くない訳がありません( ー`дー´)キリッ

お勧め致します。

魔法少女という設定を逆手に取り、現実世界に乗り遅れている29歳というリアルな女性像を描く事で、多くの女性の共感を得る作品に仕上がっているかと思います。

非凡な才能が掘り起こした新たな鉱脈です、大人になり切れない大人の女性を書くのにまさか「魔法少女」を使うという手があったとは!

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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