創作活動への意欲について。今の自分に足りないもの

空家秋也

「〝熱〟がなければ、人は恋一つできない」 呪術廻戦18巻。秤金次の台詞より

今の自分に足りないのは『熱』だ。


カクヨムの通知見てるとフォローしてる人達が短編なり長編なり投稿しててすごいなー、って素直に思ってしまう

本来は嫉妬なり対抗心なり焦りなりでないといけないんだけど


この『熱』とは、文字通り『熱さ』。

昔は電撃、角川、スーパーD、MFJ、ファミ通文庫、スニーカー文庫などなどなど。

ライトノベルだけじゃなくハードカバーなども読み漁っていた。


中学生の頃、ノートの余白に『小説モドキ』を書きながら、

いつか自分が作家になって、いつか自分が好きな作家さんに会って。

「私が小説家を目指したのはあなたの本を読んだからです」って言いたい。

そう思っていた。


高校生の頃、携帯のメモ帳に『小説モドキ』を打ちながら、

「あのネタは私が先に思いついていたけど、あなたが先に出しただけ」って尖った台詞を言いたい。

そう考えていた。


社会人の頃、ノートパソコンのテキスト帳に『小説モドキ』を記しながら、、

創作活動の先輩、先生達の作品がアニメ化、映画化したのを見て、

「いつか自分も同じ場所へ」

そう想っていた

「自分の作品を読めば担当がついて書籍化、漫画化、アニメ化なんてすぐだ!」

そう感がえていた

メディア化した作品を見て、原作小説を読んで、

「キャラに魅力がない。ストーリーにテーマがない」

「世界設定にリアリティがない」

「オチも弱い。単純に面白くない」

そう判断していた。

「こんなもんより自分の書いたものの方が面白い!!」

「絶対面白い!!!!」

「読者を読ませて喜ばせて怒らせて哀しませて楽しませて感動させられる」

そう貫いていた。




だけど、今はどうだ。

『熱』が。

『熱さ』が足りない。

燃やす火種はあるかもしれない。

くべる薪はあるかもしれない。

それを火に、炎に、災にする『温度』がない。



「好きな小説が映画化した?」

「それじゃあ見に行こう」

「なんでそういう演出になるんだ? 監督は原作読んだのか?」

「この小説も映画化? 見に行ってみるか」

「クソ」

「この小説も映画化か…一応見に行ってみるか……」

「クソ」

「原作小説の映画はクソ」

「はいはい、また原作小説の映画ね」

「どれだけクソになってるか見てみよう」

「クソお疲れ様」

「マイベストピエロ」

としか思わない。


メディア化したものを見た時。

キャラに魅力がなく、

ストーリーにテーマがなく、

世界設定にリアリティがなく、

オチも弱く、

単純に面白くない。

そう判断しても。

「ただただゴミ」

「なんでこんなのがメディア化するんだ?」

としか思わない。


逆に面白い小説や映画や漫画を見ても、

「やっぱり売れてるものは面白いなー」

としか思わない。


自分が!

自分も!!

自分の!!!

自分は!!!!

自分なら!!!!!

そう思わないようになっていた。


創作活動をしてる人なら同じ事を思うだろう。

自分が変える。

自分も同じように。

自分の作品は違う。

自分は出来る。

自分なら成功する。



今の自分には、

『熱』が足りない。

それも激しいものではなく。

炭の中で篭る、熾火のような。

『熱さ』が。

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創作活動への意欲について。今の自分に足りないもの 空家秋也 @akiya11akiya

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